Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ガガ

    yowailobster

    DOODLE20220530 呼称のすごい捏造その他全て大暴れ 閲覧注意
    忠とランガが海行って歩いたり走ったり

    これも続きがでてきた うわー
    人間いじょう未満 明け方抜けた台風の名残か。明るい空に反し、海はやや荒れていた。
     完璧とは言えないロケーションに菊池忠は一瞬ひやりとしたが幸い彼に己を此処へ連れて行くよう頼んだ同乗者は不満など感じていないようだ。いつもと変わらない無表情で窓越しの浜辺を眺めている。
     安堵しつつロックを外し、忠は運転席を降りた。
     日光を浴びた車体の照り返しに思わず目を眇める。並んでいたレンタカーの中では一番無難な色味の物を選んだがそれでも見慣れた黒に比べると派手だ。
     後部座席側のドアを開ければ即座に地を踏む真新しい一足。久方ぶりの外出の為先程下ろした品だった。衣服も同様に今朝箱の山から選んだばかり。普段着せているものよりシンプルな作りだからか薄い生地からは常よりやや青みの強い肌が透けて見えている。モーターボートを降りる際日焼け止めは塗り直させたがこの陽射しだ、それだけでは不十分かもしれないと更なる日焼け対策の準備を整えていた忠はしかし、同乗者こと馳河ランガが彼を待たず歩き始めたのに手の動きを速めた。
    12218

    yowailobster

    DOODLE20211111 長くて細くて美味しい棒菓子の日 はじめランガが趣旨わかってなくてげっ歯目の速度でガガガガッて食べてたら可愛いと思います 理解してちょっと遅くなったら本当の本当に可愛いと思います
    内緒のI 記念日とは言いつつ別に安くなるわけでもましてや高校生男子の夢が現実になるわけでもない。というかなったら逆に困る。どうしていいかわかんねえもん。
    「それなのに買うんだ」
    「これは別、お前もひと箱買っとけよ」
     何でと言いつつ素直にレジへ行く後ろ姿は少しだけ心配になる。店員に渡しているその箱の中身がほぼ自分の口に入らないと知れば年中食べ盛りの親友はどんな顔をするだろう。代わりに色々な味が食べられる筈だから結果的には喜ぶとして、間違いなく不思議には思うだろうな。
     中学の頃は菓子類一切持ち込み禁止だったので自分もこういう遊びは去年知った。名前も知らない他クラスのやつから突然一本、渡し合うクラスメイトの姿に交換だったかと気付いたのは苦恥ずかしい思い出。今年もう一度会えるかはともかくそれ以外、例えばランガに何か渡したくて仕方ない連中がついでに渡してくる可能性は十二分にある。用意しておくに越したことは無い。
    1328

    yowailobster

    DOODLE20210907 本編後の冬応募した覚えのないカナダ旅行に当選したランガが現地で知り合った親切な日本人シンドウと一緒にちょっとした問題を解決する話もしくは愛抱夢考案二人きり楽しいカナダ旅の筈だったドタバタ騒ぎ
    CP薄 モブ出張る +っぽい、しかしこの先絶対くっつく二人が会話したり理解できなかったり気付いたり カナダ描写はふわふわ
    イベントの会議があればどこにでも現れる愛之介が面白くて書きました
    3+1の誤算 二月某日。最高気温八℃最低気温三℃、天気は曇り。寒さ厳しいこの季節、バンクーバー国際空港内を移動する客らも皆ふくふくと着膨れている。
     二つに分かれたゲートの片側。比較的さらさらと機械を操作する居住者達の中で一人、あからさまなほど指先をこわばらせながらタッチパネルを押す少年が居た。
     なんとか機械に吐き出させた長細い紙を手に持ち、慎重な歩みで少年は入国審査官の元へ進む。間違いなく初心者だろう動きにベテラン審査官の態度も多少和らぎ審査はつつがなく終了した。
     無事新たな書類を手にしてようやく、カナダに帰ってきて初めて馳河ランガは深く呼吸をすることができた。
     生を受けてから一六年間、父の死を切欠に母の故郷である日本に渡るまでランガはこの国で暮らしていた。だが住んでいたのはもっと山側、人気の無い地方だ。空港のような大量に人の行き交う場所にとんと縁が無かったランガの身体が勝手に緊張するのも無理はなかった。
    34810