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    キッカ

    abicocco

    PAST※ノーマルEND革命後のレムラキ

    一緒に暮らしているが寝室は別。名前の無い関係のまま良好な付き合いを続けていた二人が、ある日レムがモブ女から強引に迫られた事件をきっかけに、周りの目を欺くため偽装の恋人を演じる話。
    続き→https://poipiku.com/4491035/9373864.html
    偽装交際1『夕飯を食べてから帰るので予定より帰りが遅くなります』

     レムナンからのメッセージを受信したラキオは、チラリと横目で通知のポップアップだけを確認すると、つい今しがた目を通していた今年度の宇宙学会で公表された論文へとすぐに視線を戻した。ラキオが休みでレムナンだけが出勤の日、彼が仕事帰りに全国でもまだ数少ない大衆食堂で食事を済ませてくることはこれまでにも時々あったし、大方今日も帰りがけに見た日替わりメニューの看板に惹かれてつい立ち寄ってしまったとかそんなところだろう。彼から届いた短い報せをラキオはそんな風に軽く受け流していた。


     それゆえに読んでいた論文が最終章のまとめに入るあたりで、玄関から駆け込んできたらしきレムナンがそのままトイレへと直行し、げえげえと耳障りな音を廊下のこちら側にまで響かせているのに気付いたときには、流石のラキオも何事かと面食らった。
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    yuakanegumo

    PROGRESS原作軸両片想いヴィク勇書いてます。
    冒頭だけです。(9月6日加筆)完成することを祈って😌🙏ヴィクトル、ひどいこと言ってますが、いつも通りのすれ違い平和なヴィク勇です☺️

    【あらすじ】
    両片想いヴィク勇。
    酔った勢いで身体の関係を持ってしまったことをきっかけに、
    付き合うことになった二人。
    しかし、ヴィクトルと勇利君にはお互いに言えない秘密があるようで…?
    みたいなお話です。
    舌の上にハチミツ【原作軸両片想い】「恋人」であるヴィクトル・ニキフォロフと勝生勇利には、互いに明かすことの出来ない小さな秘密があった。
     
    「ああ。後悔してるよ、クリス」
    ヴィクトル・ニキフォロフは電話口に静かな声で言った。
    「あの夜に、あんなに酔わなければって。おれだって、あんな形でユウリとセックスしなかったのに」
    その時であった――部屋の扉の、軋む音がした。はっとして振り返った男が見たものは、結ばれたばかりの「恋人」勝生勇利の姿。青年の顔色は青く、そのアーモンド色の瞳は確かにヴィクトルを映していた。男の姿が、じわり、あふれる涙に滲んでいく。
    「……ヴィクトル。やっぱり、僕と『した』こと、後悔してるんだ、」
    「違うんだ、ユウリ。これは……!」
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    ケミカル飲料(塩見 久遠)

    DONEミキとクラ♀。クマのぬいぐるみがきっかけでミッキが恋心を自覚する話。クラさん♀が魔性の幼女みたいになってる。これからミキクラ♀になると良いねと思って書きました。蛇足のようなおまけ付き。
    2023/4/8にTwitterにアップしたものに一部修正を加えています。
    魔法にかけられて 「それでは、失礼します」
     深めに礼をして、現場を後にした。ファミリー層向けイベントのアシスタントということで、テンションを高めにしたり、予想外の事態に見舞われたりと非常に忙しかったが、イベント自体は賑やかながらも穏やかに進行した。主催している会社もイベント担当者もしっかりとしており、臨時で雇われているスタッフに対しても丁寧な対応がなされた。むしろ、丁寧過ぎるくらいだった。
     その最たるものが、自分が手にしている立派な紙袋だ。中には、クマのぬいぐるみと、可愛らしくラッピングされた菓子の詰め合わせが入っている。
     「ほんのお礼ですが」
     という言葉と共に手渡された善意であるが、正直なところ困惑しかない。三十代独身男性がこれを貰ってどうしろというのだろうか。自分には、これらを喜んで受け取ってくれるような子どもや家族もいなければ、パートナーだっていないのだ。そして、ぬいぐるみを収集、愛玩する趣味も持っていない。
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