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    サイド

    生き恥

    DOODLEオケパロ。
    世話を頼まれた月と技巧は飛び抜けてあるが、なかなか音色に感情が籠らない鯉の話。
    ※カプ要素はない
    あのキャラ達が大人しく楽器を演奏する質とは思えないので、普通に書いてみたかっただけ。続かないと思う。

    今回の曲は『「ウエスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニックダンス』。

    この楽団は、J.シュトラウス2世の『雷鳴と稲妻』が上手そう。
    聞くこと、見ること 今年の10月、鶴見さんが懇意にしていた鯉登平次先生がコンマスを引退し、鶴見楽団はコンマスが不在になった。ニューイヤーコンサートを控えた今、その代わりに、現在有名音楽大学に通う次男の鯉登音之進が継ぐことになったのだが……
    「白石!B♭の音が少し低い!それとも貴様のチューナーが壊れてるのか!?」
    「これが限界だよ〜、今日めっちゃ寒いんだもん。演奏してたら暖まるよ。」
    「ふざけるな、チューニングで楽団の演奏が左右されるのだぞ。」
    「……いや、わかってるよ!分かってるけどさ!」
     コンマスが音之進に変わってから、毎回こんな感じで、何度か衝突が起きかけている。
    「まあまあ、何も全てピッタリとピッチがあった音で吹くこと、弾くことだけが全てじゃない。みんなで揃った音色を奏でることこそが重要なんだが。それに、白石のピッチも特段外れている訳では無いぞ。1ミリ、2ミリのものだ。」
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    eye_0526

    DONEテランスとディオンが両思いになって付き合い始めるまで。です。
    前回の「憶い」↓
    https://poipiku.com/1074241/9637063.html
    がテランスサイドで、内容は同じですが今回はディオンサイドで話が進行します。

    前々回の「御伽噺」の続きですが、読まなくても大丈夫です。
    「御伽噺」はこちら↓
    https://poipiku.com/1074241/9608450.html
    依存 テランスに憶いを告げられてから、ディオンはテランスよく観察するようになった。肩幅が思いのほか広く、背中も大きい。それなのに腰が細い。目が合えばにこりと笑って「どうされました?」と高確率で言う。靴はいつも左から履く。くしゃみは二度することが多い。匙の持ち方に少し癖がある。などなど…。十年以上も一緒にいたのに初めて気づくことが沢山ある。
     男に憶いを寄せられるなど思っても見なかったが、テランスなら不思議と嫌悪感はなく、それ以上に幸福を感じた。更に、今はまだ殆ど寝たきりのためテランスとの距離はいつも以上に近い。が、もっと近くに…できるだけ長い時間を…と、欲するようになった。

     足音が聞こえる。テランスの足音だ。こつこつと小気味良いリズムで、床を擦るような音はさせないのが彼の特徴だ。踵から地面に足を落とし、足の裏全体で軽快に蹴る。
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