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    サメ

    mayo

    DONEさめしし。ししさんが血縁のない子どもの世話をする話。さめ先生の来訪とすれ違い。雑用係ががんばります。
    世界はそれを、(④) 暖かい日がつづいたかと思えば急に涼しくなる。村雨は出入り口に近づくほど冷えていく廊下の空気に顔をしかめた。二日前は半袖でも通用する気温だったため、ジャケットを羽織っただけで出勤していた。
     職員用駐車場に足を進めるあいだも、寒風は容赦なく吹きつけてきた。二十四時間を超える勤務を終えて疲弊しきった体にはこたえる。びゅうびゅうと鳴る秋風に「お医者様は痩せすぎなんじゃねえの? オレみたいに筋肉つければあったかいぜ」という声が混ざった気がした。たしかに彼はあたたかい。ここにはいない熱を思い出した一瞬だけは、寒さを忘れることができた。その幻想はすぐに木枯らしが散り散りに吹き飛ばしていったが。
     運転席のドアを掴むと、鋼板の冷たさがひときわこたえた。激務のあいだ放置された車内も風が遮られるだけいくらかましだ。とはいえ、冷えきった体にはたいした慰めにもならない。レザーシートがじわじわと体温を奪う。うまく動かなくなってきた頭が心地のよい熱を求めていた。ナビの行き先を自宅の次に登録した場所へと設定したのは、ほとんど無意識によるものだった。
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    kikuno_kaoru

    DOODLE銀行爆破end後になんやかんやでハワイで結婚したさめししが、常夏のスローライフを送ってたら数十年後にヤバイとこに喧嘩売って国際指名手配犯になったレメとピコを匿う羽目になってしまったり逃げた先でマフツさんと再会したりするアラフォー達の爆裂大陸横断記です
    少し前に漫画で書いてたものをリハビリがてら書きました。こんなタイトルですが続きは特に書いてないです。
    四十路爆裂大陸横断記・起ハワイの朝は早い。
    青い海に白い砂浜。それらを輝かせる朝日はどんな深い夜をも吹き飛ばして、この常夏の島を明るく照らす。
    朝にランニングをする理由は、その景色があまりに美しからだ。きっと、自分のように朝から走っている人々の気持ちは同じだろう。
    現に人通りの多い海沿いの道はランニングウェアに身を包んだ老若男女でいっぱいだ。

    本来は自由気ままに人通りの少ない道でも走りたい所だが───気難しいお医者様が「日本でのあなたは体格の良い大男だがここでは平均的な大きさだ。力で負ける可能性がある事を肝に銘じろ」と人通りの多い道を走る事を推奨したのだから従うほかない。
    オレはもうすぐ40歳のおっさんだぞ、生娘じゃねーんだから、と反抗しても良いのだがそう言った所で分からされてしまうのは目に見えているので、オレは結局その言いつけを守ってしまっている。
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