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    サリア

    月海 故

    DONE2022年3月27日発行の無配。
    事故物件に住むことになった縁壱の話。
    キャラクター崩壊等、色々と捏造。なんでも許せる人向け。
    ホラーではなく普通にらぶです。

    💝冊子版の頒布が終了したためエアブー230212にて公開いたします。
    お手に取ってくださりありがとうございました。
    心理的瑕疵 熱めに沸かした湯を張り、ゆっくりと湯船に浸かる。
     一日の疲れを癒す時間だが、この時、俺の口から零れるのは深く重い溜息。このところ、鬼舞辻無惨に関してとても大きな悩みを抱えている。
     ……と、その話の前に、少し。
    「プライベートな場所は遠慮してくれと言ったはずだ。今はやめてくれ」
     浴室の扉、その磨りガラスにぼんやりと映る人影に言う。するとそれは煙のように散って消えた。
     素直に退散してくれるからいいものの、風呂とトイレは勘弁してくれと何度も言っているのに。


     先に話した通り、悩み事を抱えている。
     どうにもならない事実に、どうしようもない己の想いを上乗せにした、雁字搦めにこんがらがった俺の悩み。
     思い煩い半年ほど経った時、当時住んでいたアパートの契約更新を迎えた。日々儘ならず過ごしていた俺は、心機一転このマンションに移り住んで、それから三ヶ月と少し。
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    zeppei27

    DONEハサアオ最終話です。ハッサクにじわじわと『普通』を侵食されたアオキが、ちょっとしたお節介から後に戻れなくなるお話。ハッサクの暴走回だよ!アオキがハッサクに意地悪だったり強気になったりするのも良いですね……。

    前話 #3
    >https://poipiku.com/271957/8193864.html

    最後まで読んでくださりありがとうございました!絵文字もいつもありがとうございます……!
    正しさの証明 #4 湖に小石が投げ込まれ、水面に波紋を広げる。小石が岩となり雨霰と降り注ごうとも、しばらくすれば湖は元通りの静けさを取り戻し、何事もなかったかのように全て忘れ去っていくだろう。日常とは一見左右されがちな脆弱な存在だが、長い目で見れば何よりも力強い。いずれ全ては回帰してゆくのだし、多少変化があろうともそれすら全て飲み込んでしまうものだ。アオキの『普通』の日常もまた然りである。

     ハッサクにより引っ掻き回され、機を窺って掻き乱し返す他愛もないやりとりは、数え切れないほど繰り返してもはやアオキの日常の一部と化していた。大変申し訳ない話だが、彼が長々と時間を割く説教の大半は効力を発揮していない。髪型やらシャツやらネクタイやら、その他いくらかは一理あるのといじられることに耐えかねて変えた(改善とは呼びたくない)ものの、アオキの本質はハッサクと初めて出会った時のままだ。
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    32honeymoon

    DONE #2023年初めK暁ワンライ
    (盛大に遅刻遅刻ゥ~!!!)
    もうすっかり専売特許になりつつある、あの夜を超えて戻ってきた二心同体K暁でお送りいたします。
    しかし結局今回もワンライどころか3時間かかってしまいました・・・これがポンコツたる所以・・・!
    でも書くのは楽しかったのでこれで良しとしてくださいませ!
    白雀さま、いつも素敵な機会を作ってくださりありがとうございます😊
    雪と兎とおみくじと。ーちらちらと舞い散る、白い雪。
    窓の外、視界を覆うその白さにほう、と息を吐けば、まだ温まり切っていない部屋の空気が暁人の吐いた息のかたちを煙のように可視化してみせた。

    『ー今日は都内でもそれなりに積もるらしいぜ』
    今日が休みでよかったな、と呟くその声にそうだね、と返して、そっと揺れるカーテンを閉める。ぺたぺたとスリッパの足音が、ちいさなワンルームの部屋に響いた。

    「・・・KKはさ、雪って・・・好き?」
    『あ?・・・・まあ、雨よかはマシだな』
    「・・・そうなんだ」

    どこか浮かない顔で、誰にともなく呟くその表情。
    もしKKが目の前に居たなら、きっと「オマエなんて顔してんだ」とでも言われただろうが、暁人の表情を映すものがない今、彼の体の中に居るKKがその顔色を知ることは叶わない。
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