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    ジャミカリ

    つ🐼

    MAIKINGゆるゆる書いている天使かりむと悪魔じゃみうのパロディ小説その2です
    天使かりむが悪魔じゃみう追いかけて堕天したはなし
    「飛べないとは?」
    「えっと…」

    変わらず雨が降り続いている、朝の10時。
    背中から小さく白い羽を生やした カリムと名乗る赤子は 俺の質問にしょんぼりうなだれている。

    (あしたには、かえるから)

    昨夜、そう言ってすやすやと寝入ったこいつは 俺の服の袖をぎゅっと掴みながらそれはもうぐっすりと眠った。ひとんちのベッドで。
    もちもちとした丸い指をゆっくりと俺の袖から引き剥がし、気が済むまでふにふにほっぺを突つきまわしてやったあと 物音を立てないようにそっと部屋から出た。

    「疲れた」

    ソファに寝転び思わず独り言が漏れる。ただでさえ雨の日の夜は気が滅入るというのに、あいつといるとそれだけで何故かぐったりする。そもそもなんであんな世話を焼いてやったんだ。俺らしくない。
    まあ、明日には帰るというのだから あと数時間で解決するだろう、それまでの我慢だ。

    どうせ起きたらお腹すいただの着替えがないだのじゃみう〜だの言う姿が容易に想像がつくので、まだ雨に濡れたままのあいつの服の他にももうひとつ服を用意しておくかと思いまたクローゼットを漁った。
    前住人の服が詰まったクローゼットの中には 白くてふわ 2063

    すずめ

    MAIKINGご飯を食べるジャミカリの練習。(ほのぼのにしたい)朝陽が気持ち良くて目を覚ます。大きく伸びをしてカリムはベッドからローテーブルへと移動した。今日はジャミルに新しい絨毯を敷いてもらったから、気分が良い。ふわりと、いつもの匂いがカリムの身体を纏わりつくような感覚に、幸せな気持ちを抱いてジャミルを見つめる。
     朝食は、焼き立てのクロワッサンにジャガイモのポタージュ。それからスクランブルエッグだった。手を合わせて「いただきます」と声に出して食事が始まる。
     湯気の立つポタージュスープはカップを持っているだけで熱くてたまらない。「火傷しないよう気を付けろ」と言われた。そうは言っても熱いものは熱いうちに食べたいと思う。だから出来るだけ冷めないうちに飲み干してしまいたかった。
     ジャミルのご飯は美味しいなとしみじみ思う。朝からこうして手料理を食べられることが嬉しいと堪能しながら、喉を鳴らして一気に飲み込んでいった。
     その様子に、ジャミルが心配そうな顔をして此方の様子を窺ってくる。熱さでほんのり紅く染まった頬をそのままに、ふにゃりと微笑んでみせた。カリムの反応を見たジャミルは、少しだけ恥ずかしそうに視線を逸らしてしまう。素直に「美味しい」と伝えても 728

    testudosum

    DOODLE十年後、普通に付き合ってるジャミカリ①
    Twitterに同じものを上げていますが、自分が読み返しやすいようここにも投げます。
    ペンを立てた。これで終わりだ。
     くん、と背伸びをして窓の外を見ると、とっくのとうに日は沈んでいる。いつから仕事してたんだっけ。思い出せないが、現在の時間はわかる。午後十時、そろそろ寝支度を整えなければならない。今日はもう疲れたのだ。ぱきぽきと鳴る背骨の感触を感じながら、カリムはひょいと椅子から立ち上がろうとした。
    「待て。その前にこれを飲め」
    「んえ?」
     そんな声と共に横から差し出されたカップが机の上に置かれる。二つ。温かそうな紅茶だった。
    「……え? ジャミル? いつ入ってきたんだ?」
    「ついさっきだよ。ちゃんとノックもしたし、声も掛けたぞ」
    「本当か? 気付かなかった……」
     またやってしまったらしい。カリムはひっそり息を吐いた。昔なら見ているだけで瞼が降りてしまっていたような細かい字の書類にこれだけ集中できるようになったのは年月の賜物である。しかしそれと同時に、集中しすぎて周りが見えなくなるという弊害ももたらされたのは、思わぬ誤算である。いつの頃だっただろう、ジャミルが一人執務室に籠るカリムに声を掛けても応えのなくなった日から、ジャミルはこうして、仕事が終わる頃を見計らって勝 2439