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    ソロ

    調@大人向け他

    DONEお題「春遠からじ」と「赤い糸」で、不二くん受けウェブオンリー様の企画その2、WEBアンソロジーに参加させていただきます。お運びくださった皆さまには申し上げるまでもなく塚不二でおおくりいたします。
    『たとえば今…』八周年の今日にも寄せて。まさに原作と讃えられた歌のごとく、永遠に離れないふたりでいてください。おめでとうございます&ありがとうございます…!
    春遠からじ、赤い糸 赤い糸というものが、手塚にはいまいち分からない。いや、意味としては分かるのだが、つまりは合縁奇縁であり、自分の意志より運命で伴侶が決まるというのはどうにも腑に落ちない。
    「そうかなあ」
     遅咲きの梅の写真を一枚撮って、ほんのりと笑って不二が首をかしげる。
    「たぶんさ、運命ってひとつじゃなくて、たとえば今日、キミはボクに梅が咲いたって教えてくれて、だけどボクじゃない可能性も」
    「ないが」
     なにやらおかしなことを言い出したものだから、思わず食いつき止めてしまった。言葉が強かったかもしれない。反省をしている手塚に不二はまばたいて、くすくすと花より小さくまぶしい笑みをその場にこぼした。
    「ううん、――そうだね。ふふ、ねえ、手塚。キミの赤い糸はさ、きっと。キミの手の中に今あって、キミが自分で結びに行くんだ」
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    さとこ

    MOURNINGアンソロ原稿に提出しようとしていたけど、あまりに松戸要素がなく(ほぼ一刻堂さんと戸田くんのお話)ボツにした作品の供養です。

    松戸+誰かのお話、3期の山田の話も書いたんですけど、それの4期verみたいな……一刻堂さんの方がだいぶ好感度高いのがわかりますね……
    【松戸と一刻堂さん】言霊遣いと妖怪少年【戸田くんのことが気に入った一刻堂さんと(だから合わせたくなかったのに!)となっている松岡くんの話】

    【言霊遣いと妖怪少年】

    「ところで君は……」

     ぎろり、とこちらを睨むような鋭い目つきに、戸田は身体をわずかに強ばらせた。いつでもオカリナを取り出せるように、そっと懐に手を忍ばせておく。

     戸田が今、対峙しているのは、言霊使いと呼ばれている人間である。黒ずくめの和装は、得体の知れない存在感をかもしだし、その視線はこちらの正体を明かしてやろうとばかりに鋭く戸田を射抜いていた。

     一見、敵意は感じないが、まだ分からない。中には、敵意を隠すのが得意な人間もいる。男については、話には聞いたことがあっても、顔を合わせたのは初めてであり、共通の知人を介しての知識しかない。共通の知人こと、後輩の松岡は、よほどこの目の前の男が苦手らしく、『味方にいると便利だけど、敵に回せば僕ら妖怪の天敵のような人間』と、要注意人物として教えられていた。
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