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    タニア

    汎用斉藤

    DONE「箱庭ごはん」(2022年7月23日から開催された、プリンタニアごはんアンソロジーネットプリント企画)に参加登録した小話その2。
    21回プリンタニア版ワンドロワンライのお題「白」「話す」で描いたイラストから派生した小話でもあります。
    さ行みんなで食べるごはんはきっと楽しい。
    NOT GUILTY「もー!散々でしたよ!!質問に次ぐ質問で……何にも説明してくれないし……なんか猫たちの目怖いし!!」
    「おつかれ……」
     回顧祭で落とし物を拾っただけなのに、まさかこんなことになるなんてと瀬田が目をぐるぐるさせながら佐藤に訴えている。瀬田の胸元に抱えられたすあまと頭に乗ったそらまめが、よしよしと言わんばかりにむにむにと体を寄せている。
    「塩野も大変だったな」
    「んー俺はコンサルの証言に付き合っただけだからなあ」
     コンサルと警備人に急かされながら大至急で猫のところに連れていかれる理由がまるでわからず、当初は塩野も瀬田同様ひたすら困惑していた。
     しかし拾った何かについて猫に囲まれてひたすら質問責めにされた瀬田に対し、塩野は自分が連れていた物理ボディのコンサルがその場の会話の証言をするため一緒に連れていかれただけだったので、特に何かしたという訳ではない。回顧祭で瀬田のいるブースに寄った時の話や、佐藤達と菓子を食べる会をしていた時のことを一応確認されたぐらいだ。
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    milk04coffee

    DONE体調不良(リクエスト)
    ついったにあるもの+おまけ
    2021-4-24(まとめた日)
    その病は治らない いつも通りの朝だった。目覚ましをかけた時間に起きて、身支度をして、しっかり朝食もとって家を出た。一緒に登校していたらしい類と寧々と偶然合流し、他愛のない話をしながら学校へ向かって……その時は本当にいつもと変わらなかったのだ。教室に着いたあたりで微妙に体が重いような気こそしたものの、それだけだったのに。
     違和感が急激に強まったのは、四時間目の最中だ。薄らと感じていた体の重さがいきなり強くなり、目の前がふらつきだす。背をなぞられるような嫌な寒気に軽く身を震わせた。
     ……これは、まずいんじゃないのか?
     靄のかかった頭で考える。時計を見る限り授業の終わりまであと十五分だ。幸い生徒をあまり当てない先生の教科だし、これが終わったら昼を摂る前にまっすぐ保健室へ行こう。ぐらつき歪む視界に耐えながら、背を曲げてノートの真ん中を見つめた。板書なんてひとつも取れないまま、ただじっと耐える。あと、すこし。常よりもずっと長く思える十五分間が終わる頃には、ひどい寒気がするにもかかわらず、服の下にじっとりと嫌な汗をかいてしまっていた。
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