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    ニナ

    kumaneko013

    DONE弊アルハン♂の成立する少し前のお話。またジェイくんがア教の相談相手になってて、前に書いたこれ(https://twitter.com/kumaneko013/status/1671127548959555585)とちょっと繋がってる感じです。
     行きつけの店で仕事終わりの一杯を注文し、グイッと呷る。
     カウンター上に出された酒は普段と何も変わらない筈だが、何だかあまり味が感じられない。
     いや、今の自分にはそれを楽しむだけの余裕があまり無いという事を、アルロー自身も分かっていた。ここ数日でめっきり増えた溜息が、今夜も口から漏れてしまう。
     ──アルローは悩んでいた。
     メル・ゼナやガイアデルムといった脅威を退け、漸くエルガドにも見慣れた青空が戻ってきた矢先の事である。
     キュリアの残党やモンスターの傀異化など、当面の問題はまだ残っているが──アルローの悩みは、それとは全く別の件だった。
     カムラの里の英雄、猛き炎。
     フィオレーネに伴われてエルガドにやって来たアラタという少年は、一連の元凶でもあったガイアデルムの討伐に至るまでとても尽力してくれたし、今もなおバハリの調査に手を貸している。性格の方も少々生真面目ではあるが、基本的に人懐っこく、その若さや善良性から庇護欲を掻き立てられるせいか、エルガドの皆から可愛がられるようになるまで、そう時間は掛からなかった。
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    Rahen_0323

    DOODLEカキツバタのヒスイ入り番外編その4です。番外編のボリュームじゃなくなる予感がしてきました。
    以前書いた「置き去った男」と繋がる話です。そちらの1〜7と一緒に読むことをオススメします。それとシリーズなので「漂流譚」1〜3も先に読むことを推奨します。
    なんでも許せる方向け。2話目より仲良くなってる人とか初対面カットしてる人が居たりします。全部書いたら本当とんでもない長さになりそうなので……
    漂流譚 4オイラがヒスイ地方に迷い込んでから、数日。
    あの後コンゴウ団、シンジュ団、ギンガ団のことやこの地の詳細を伝えられ、それからオイラの処遇も教えられた。

    『本来なら得体の知れない余所者をおいそれと受け入れるわけにはいかないが……アンタの境遇は、ショウやあの人と何処か似ている。それにそのショウがお前を助けてやりたいみたいだからな。一先ずこのコンゴウ団リーダーのセキとギンガ団調査隊隊長シマボシを責任者として、暫くは村に置いといてやる』

    『怪我が良くなったら勿論働いてもらいます。この村に滞在したいのであればの話ですが……とにかく先ずはゆっくり休んで傷を癒してください。細かい部分はまた後ほど』

    どうにも、ショウと"あの人"とやらの助けに繋がるかも、という理由らしいが。それでも叩き出されることは無いようなのでホッとした。
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    TomeAkira_play

    MOURNINGMrs. GREEN APPLEさんのナハトムジーク聞いてたら降ってきた妄想……の、書きたいシーンをざっくり書いて、時系列順にまとめました。

    たぶん本格的に書こうとしたら結構な長さになるし、何より自分の黒研観と盛大な解釈違いを起こして病むので書けねぇやつです!スケベもないしな!!(長い話ならすけべいれたい系文字書き←←)

    なので妄想だけここで供養!!
    ナハトムジーク妄想前提設定:高校一年からの三年間(短いときで数週間~長くて三年間)をタイムリープし続けている黒尾。時が巻き戻ってしまう条件は、おそらく『研磨がバレーをやめたとき』、もしくは『黒尾の引退が決まったとき』。ここまで七回失敗して、時が巻き戻っている。研磨に拒絶された記憶を鮮明に残したまま、黒尾は八回目の朝を迎える。

    ※※※


    『待てって!!』
    手首を掴みかけた掌は弾かれた。振り払われた、と一拍置いて知覚して――向けられた、研磨の冷たい眼差しに息を飲んだ。
    『おれはもう、クロとは    ……』
    何らかの言葉を紡ぐ研磨の声が、遠退いていく。聞き取れない。ただ、明確に拒絶されたのだということは理解した。
    「研ッ……」
    がばり、と頭を起こし――引き留めようと張り上げた己の声で、目を覚ました。嫌な汗が、つぅっと喉元を伝い落ちる。呼吸は荒く、心臓もバクバクと嫌な音を立てている。
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