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    ネロ

    68_nemui

    DOODLEマネロキ(のつもり) 頭のおかしいファンがロキの前でアピールする話

    ・ファン(モブ)がだいぶ喋る そして死ぬ
    ・ちょっとだけ流血描写
    ・前半マネ視点で後半ファン視点
    実体化するアンビバレンス 柔らかい陽光が雲間から差し、街の広場に影を作っている。ロキは雨が降るのではないかと危ぶんでいたが、そうはならずにひとまず安心。西に黒い雲の塊が見えるが、あれがこちらに流れてくる頃には撤収しているだろう。

    「あ……あ、あの! お会いできて嬉しいですっ! 僕、ロキ様みたいに堂々と振る舞えるようになりたくて……! えっ、いや、もちろんお歌も大好きです! っ、すみません上手く話せなくて! 色々考えてきたんですけど、いざロキ様を目の前にすると、んん、くぅ……!」
    「フン……うっとおしい。どうにでもなっちまえよ」
    「ううぅ……っ! カッコイイ……!」

     今日、今まさに開かれているのはロキの握手会だ。街の広場の一角を借り、俺とロキ、今回のために雇った数人がそこに突っ立っている──なんて簡素なものだが。前々から「少しでもファンの喜ぶことをしたい、ファンの声を近くで聞きたい」と、本人がやりたがっていた。多少の不安はあったものの、俺はロキの、あの眼にどうにも弱い。不思議に移ろう瞳で見つめられると、何も言えなくなる。そんな目でねだられてしまえば、俺は頷く他の反応を手放してしまう。もちろん、駄目なことにはしっかり駄目と言わなければいけないとは思っている。だが、今回は否を突き付けるような事柄でもないだろう。
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    新月朔

    DONEオー晶♀
    以前書いた『隙なんか作るわけないだろ』よりも前のお話。
    以前のお話を読まなくても、お読みいただける内容となっています。
    糖度は低め。
    ネロ、ラスティカ、ルチルが友だちとして登場します。
    その他モブも喋っています。
    なんでも許せる方のみ、ご覧くださいませ。
    あなたと仲良くなりたい「賢者様、今回もお疲れ様でした!」
    「こちら、賢者様のお好きなお飲み物です」
    「ありがとうございます。でも、皆さんのおかげで無事任務が完了したので、お礼を言わなければいけないのは私の方ですよ」

    穏やかな風が吹き、星がきらきらと輝く夜、私たちはとある町のお祭りに参加していた。
    先日、魔法舎にこの町から一通の手紙が届いた。内容は、最近この町の近くにある森で魔物が出るようになったので討伐して欲しいというものだった。
    厄災の影響を受けたであろう魔物は、ネロ、ラスティカ、ルチル、そしてオーエンのおかげで無事討伐成功。誰ひとり怪我をすることもなく任務は完了した。

    そのことに感激した町長さんが、私たちをもてなしたいということで、近々開催されるこの町の歴史ある祭りに是非参加していって欲しいという、嬉しいお言葉を頂き、今日私たちはこの町を訪れていた。
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