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    ネロ

    nanasesanan

    DOODLEブラネロと言い張りたいモブネロ。
    オフィスラブ。
    おう。お疲れ、新人。今から昼か? ああ、いいよいいよ。好きなとこ座って。ん? 何? お弁当屋さん? ああ、事務所に来てるやつだろ? あー…ツケとかじゃなくてさ。あのひと、俺の嫁なんだ。いやマジな話だって。…え、お弁当屋さんに惚れて嫁にした? いや、そうじゃなくて…うーん……最初はフツーに愛妻弁当だったんだよ。
    ネロとは、フツーに付き合ってフツーに結婚したの。で、フツーに弁当作ってくれてたんだけど。ベイン課長がさあ、…ベイン課長、わかるだろ?…おかずを強奪していくわけよ。愛妻弁当の。まあでも、課長には世話になってるし、まあいっかと思ってたわけ。しょうがないなーって。でも、おかずは減るじゃん。で、俺も腹減るじゃん(笑) だからネロに、おかずの量増やしてくれって言ったわけ。そしたら、なんで? って聞いてくるから素直に答えるじゃん。ありのままを。まあ別に後ろめたいこともないし。そしたらあのひと、課長の分も作ってもいいけど、いくら出すか聞いてきてって言ってさ。え? そういう方向? って俺も思ったけど、まあ試しに聞いてみたら、課長は課長でフツーに、まあその、金額答えるからさ。なんかわかんないけど俺の嫁が、課長の弁当作る感じになっちゃったんだよね。それで、俺が課長に弁当渡して、課長が俺に金払ってたら、なんか他のやつらも俺も俺もみたいになっちゃって。とうとう今みたいに、ネロが自分で事務所に売りにくる感じになったんだよなあ…。そんで、売り物の弁当を俺にいっこくれるの。家計的には助かるし、アリっちゃアリなんだけどさ。旦那としてはそりゃ、まあ、何? 思うところ? みたいなのは、まあ、…。
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    60_chu

    DONE11/23の賢マナで出す予定のものです。前にアップした「The day before dispersal」を含めて一冊にして出します。前回のブラッドリー視点に続き、ネロ、石になった魔法使い達、賢者の視点から語っていく話です。加筆修正はたぶんめっちゃする。あと、架空の植物が出てくるので前回の話を読んでからの方がわかりやすいかも。
    The day before dispersal 2 オーロラ色の小さな欠片は飲みこむ前に口の中でひとりでに融けていった。ブラッドが撃ち落としたもう一人のマナ石はおそらく吹雪に埋もれてしまった。短い春が来るまで雪の下で眠ることになるだろう。それか誰かに掘り起こされて食われるかだ。
     ブラッドが、とどめを刺した魔法使いの荷物を確認している間に俺は白樺の樹でテントを作ることにした。ここまで吹雪が激しいなら帰ることは難しい。追跡するうちに風に流された影響もあってか位置も掴みづらい。
    「《アドノディス・オムニス》」
     幹が太くて頑丈そうな一本の白樺に狙いを定めて呪文を唱える。落ちたのが白樺の林でよかった。白樺は一晩中、魔法で雪を掃うわけにもいかないような夜に雪から身を守るためのテントになってくれる。選んだ樹の周囲に生えていた樹々が、めりめりと轟音を立ててしなりながら円錐形になるように中心の樹に絡みついていく。吹雪がやまない夜は時折この音がどこかから聞こえてくる。北の国の魔法使いは葉の代わりに雪を茂らせた白樺の中に籠ってどこにも行けない夜を遣り過ごす。
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    68_nemui

    DOODLEマネロキ(のつもり) 頭のおかしいファンがロキの前でアピールする話

    ・ファン(モブ)がだいぶ喋る そして死ぬ
    ・ちょっとだけ流血描写
    ・前半マネ視点で後半ファン視点
    実体化するアンビバレンス 柔らかい陽光が雲間から差し、街の広場に影を作っている。ロキは雨が降るのではないかと危ぶんでいたが、そうはならずにひとまず安心。西に黒い雲の塊が見えるが、あれがこちらに流れてくる頃には撤収しているだろう。

    「あ……あ、あの! お会いできて嬉しいですっ! 僕、ロキ様みたいに堂々と振る舞えるようになりたくて……! えっ、いや、もちろんお歌も大好きです! っ、すみません上手く話せなくて! 色々考えてきたんですけど、いざロキ様を目の前にすると、んん、くぅ……!」
    「フン……うっとおしい。どうにでもなっちまえよ」
    「ううぅ……っ! カッコイイ……!」

     今日、今まさに開かれているのはロキの握手会だ。街の広場の一角を借り、俺とロキ、今回のために雇った数人がそこに突っ立っている──なんて簡素なものだが。前々から「少しでもファンの喜ぶことをしたい、ファンの声を近くで聞きたい」と、本人がやりたがっていた。多少の不安はあったものの、俺はロキの、あの眼にどうにも弱い。不思議に移ろう瞳で見つめられると、何も言えなくなる。そんな目でねだられてしまえば、俺は頷く他の反応を手放してしまう。もちろん、駄目なことにはしっかり駄目と言わなければいけないとは思っている。だが、今回は否を突き付けるような事柄でもないだろう。
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