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    パロ

    soseki1_1

    PROGRESS大佐🤕と喧嘩して家出した🔮を匿う副官🧲2
    /現パロ大占傭占
    「ああ、いるよ」
     携帯電話から届く声が誰なのかは判別がつかない。ただキャンベルさんの口ぶりと目線で彼だと解った。彼は眇めたような流し目で僕を見た。
    「僕の家に居る」
     裏切られたと思った。立ち尽くした足が後ろにたたらを踏んで、この家から逃げようとする。だけど裏切られたという衝撃が体の動きを固くしていた。そのうちに、彼は言った。
    「なんで? あげないよ。送り届けてなんてやらない」
     踵を返して走り出そうとした足が止まる。息を止めたままキャンベルさんを見ると、彼はもう僕の方を見てはいなかった。ただ、唇を歪めて厭に微笑んでいた。
    「飽きたんだろ?貰ってあげるよ。常々美味しいんだって聞いてたし」
     怒鳴られてる。とは、漏れ出る音で解った。そういう空気の振動があった。それに構うことなく、キャンベルさんは鬱陶しそうに電話を耳から離すと、液晶に指を滑らせて電話を切った。四方形のそれをソファに投げて息を吐く。僕の、何とも言い難い視線に気付いたのだろう。彼はもう一度目線だけで僕を見た。それが問い掛けの代わりの視線だと解ったから、逃げ出すより前に口を開いた。
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    ねてる

    DONE2025年5月3日
    SUPER COMIC CITY 32/超忍FES.2025の無配です。
    現パロの竹←孫、竹谷が中三、伊賀崎が中一です。
    竹谷のことを上手に見つけることができる伊賀崎の話。
    そういう魔法 放課後のしずかな廊下をゆったりとあるきながら、ときどき立ち止まって考えるそぶりを見せて、経路を選んでいく。
     竹谷を捜してきてくれないかと言われたのは、部活動──伊賀崎は生物部に所属していて、竹谷もまたおなじである──の真っ最中で、ちょうどメダカの水槽の掃除を終わらせたときだった。
     三年生は受験に向けて部活動を引退した時期ではあるが、竹谷はそんなことはおかまいなしに毎日のように部活に顔を出していた。けれど今日は活動場所の理科室に姿を見せなかったので、めずらしいこともあるものだと思っていた矢先のことだ。
     生物部の顧問である木下が渋い顔をして、悪いが竹谷を捜して、自分のところにくるように伝えてほしいといってきた。どうして自分が、というのはもう考えなくなった。はじめは木下も、伊賀崎以外の部員や同級の生徒などにもそういう頼みごとをしていたのだが、どういうわけか伊賀崎だけは毎回必ず竹谷をみつけてくるので(ほかの人間だと五回に三回くらいの割合でどこにもいないと言ってもどってくることが多かった)、いつしか竹谷を捜しにいくのは伊賀崎の役目になっていた。
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