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    註冊登錄

    ファイ

    灰ちゃん

    塗鴉ファイアナ(そうかな……
     この世界は幸福に満ち満ちている。少年は歳に見合わず誰よりもそれを弁えた子どもだった。
     見よ、慈しみで大地を温めるエーギルの双眸。そのぬくい土を食む穏やかなジョーリアの獣たち。それらに引けを取らないほど優しく彼の名前を呼ぶ最愛の姉の声。
     この幸せは決して当たり前のものではないのだという強迫観念は、常に彼の背をついて回った。彼にとっての人生はいつ崩れるともしれない薄い世界の殻を踏んでいるようなもので、その有り難みも知らずに日々を浪費する他人を蔑む老獪さが少年にはあった。……儚いものが全て尊いわけでもなく、アナクサゴラスが尊敬しているのは最愛の姉の得難い美徳だけではあるけれど。
     風にそよぐ草原と赤土の匂い、吹き抜けるような青空ばかりの少年の視界の中で、美しい姉の心根だけが全ての支柱であると言っても過言ではなかった。生きることすらおぼつかない弟を献身的に看る姉の存在を当然のものと受け止めない良識が幼い少年にはあったし、若くして両親を失い重い仕事と役立たずの家族だけが残された娘が全てを捨てて逃げ出さなかった覚悟と愛を、彼は誰よりも尊んでいた。そんな荒れた手に金貨を降らせることはできなくても、出来る限りの好天と時折の慈雨で応える世界のことも。
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    まぐたく

    塗鴉⚠️キャプション必読
    この話はゼルダの伝説37周年記念とティアーズオブザキングダムの発売決定を祝うつもりで書いたものです。
    ・ブレワイ(ティアキン)のリンクとマスターソードの精霊ファイが対話する話です。
    ・ブレワイのリンゼル前提
    ・スカウォのにおわせを多分に含みます。
    ・ティアキン発売前に書いた小説のため今読むと内容が異なりすぎて吐血します。
    以上OKな方のみ先へお進み下さい。
    いつか巡り逢うその瞬間 厄災ガノンの本体、ガノンドロフが目の前に立ちはだかっている。
     目を剥くスピードでこちらに伸びる怨念の手から逃れることは出来なかった。聖剣・マスターソードとそれを握る己の右手は怨念にじわじわと侵食されていった。
     右腕に走る激痛に意識が飛びそうになる。
     特に、マスターソードに触れている手のひらは言葉に出来ぬほど痛かった。まるで“マスターソード自身の”痛みが、繋がった部分から流れてきているみたいだった。

    「リンクっ!!」

     後ろから己を呼ぶ叫び声が聞こえた瞬間、激痛で霞んでいた意識が現実へと押し戻される。
     ハッとして後ろを見ると、まさに今この瞬間、ゼルダが裂けた大地に飲み込まれようとしていた。

    「…っ!」
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