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    ファウスト

    ricolicorice

    TRAINING雨の日に熱を出したファウスト
    レノ+ファウのようなお話です

    無自覚に想いあってる二人が好きです
    取り零されない雨粒の温度 季節の変わり目にファウストは体調を崩した。なんてことはない、ただの風邪のようなものだ。
     誰にも知られたくなくて、自分で薬を煎じて飲んだ。幸いにも授業の予定もなかったのでそのまま部屋に引きこもる。一晩寝れば治ると、そう思って床についた。
     
     夜中にはっと目を覚ました。寝台の周りで夢のかけらが淡くちらちらと光っては消えていく。具現化された残滓すら見たくなくてファウストは顔を伏せた。しばらくそうして、大きく息をついてベッドサイドに引き寄せた燭台に火を灯す。発熱のせいかいつもよりいくぶんピントの甘い視界にゆらゆらと炎が映った。
     宴をしていた。アレクと革命軍を立ち上げて、徐々に勢力を伸ばし始めた頃のことだ。まだフィガロに教えを請う前で、人手も魔法の知識も乏しかったから人も魔法使いも分け隔てなくなんだって皆でやっていた。無茶をするアレクに怒って、レノックスが従者として傍らにいて、戦の前は安い酒をみんなで回し飲んで士気を高め、かちどきをあげては歌って踊った。苦しいことも多かった時代だったはずなのに、追憶の中では皆が笑っていた。ファウストもまた。
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    ぽりん

    DONEあれファン展示SS。アレ+ファで申請しましたが限りなくアレファウに近くなってしまいました。後日Pixiv公開しますのでお時間のある時に。アーサーに髪の毛を触られそうになって色々思い出すファウストの話です。passはずしました!!読んでいただいてありがとうございました✨
    アーサーに重なるはぱち、と乾いた音が魔法舎の外壁に反響して、反射的に手を払い除けてしまっていたことに気が付いた。
    その澄み渡った青い空を映したような瞳が今の天気のように悲しげに曇るのを、見たかったわけではなかった。
    はっきりしない空模様とは裏腹に、中庭に咲く花々は鮮やかに揺れている。

    「……すまない、つい」
    「いや、大丈夫だ。おまえの職業のことを考えれば、私が迂闊だった」

    その通りだ。呪い屋としては、髪に触れることを誰彼構わず容易に許すわけにはいかない。……信頼する相手、以外に。しかし、別にアーサーのことを信頼できないなどと思っているわけでは断じてない。
    よく、やっている。一国の王子として、賢者の魔法使いとして。中央の国ーーその名を口にするのも厭になるが、国とその現在の権威者を同一視しているわけではなく、アーサー自身のことを嫌っているわけでもない。
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    orehamoudameda4

    DOODLE魔法を使わなかったせいで体調を崩したレノになんとか魔法を使わせたいファウストのSSです
    魔法を使わなかったせいで体調を崩したレノになんとか魔法を使わせたいファウスト油断した。そうとしか言いようがない。いたずら心の強い羊が気弱な羊に体当たりをし、気弱な羊が見事に吹っ飛ばされて川へぽちゃんと落ちた。あまりに一瞬のことだったので咄嗟の判断がおくれ、ついでに魔法よりも身体が先に出るこの癖のせいで服のまま川へ飛び込んでいた。必死に探し、ふと羊を小さくしたままだったことに気が付いた。慌てて呪文を唱え身体のサイズを戻し、ついでに浮遊する魔法も重ねがけして気弱な羊は無事レノックスのポケットへと戻ったのである。
    「それで、そのあとずぶ濡れのまま魔法舎へ戻ったのか。服を乾かす魔法も使わずに」
    「仰るとおりです……」
    珍しく夕食を早く切り上げ、フィガロの部屋に寄って薬を処方してもらい寝床で横になっていたところに、血相を変えたファウストがレノックスの部屋を訪れていた。ことの顛末を聞いてそれはそれは深々とため息をついたのがつい数秒前のことだ。フィガロからよほど大げさに伝えられたのだろう、ファウストの息は少し上がっている。
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