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    ブラッド

    すすき

    DOODLE魔法舎ブラカイ。
    最近めちゃくちゃ多忙なカインのことを賢者とブラッドリーが話してるだけ。

    「何かちょっとやばい気がするから、ブラッドリーちゃんあとよろしく!」
    「オズちゃんも気にしてたから早めにね!」
    どうぞ、と紙を差し出され、ブラッドリーは眉間に皺を寄せた。その表情に、あれと賢者が首を傾げる。
    「ブラッドリーが頼んだって聞いたんですけど…」
    「んなもん頼んでねえよ」
    ここ最近ブラッドリーが頼んだものと言えばフライドチキンぐらいなものである。それに賢者に何か頼むのならこんな回りくどいことはしない。必要ないと言い換えてもいい。
    つまり、賢者に嘘を吹き込んでこの紙を用意させた者がいる。
    「誰に言われた?」
    問いかければ、賢者も何かを察したのか途端に視線が泳ぎだす。その顔を見れば自ずと答えはわかる。案の定小さく呟かれた双子の名に、ため息を吐いた。
    「いいように遊ばれてんじゃねえぞ」
    「うう、すみません…」
    項垂れて小さくなった賢者の手から、紙を抜き取る。懲りずに双子に遊ばれた賢者に呆れはするが、それはそれとして何が書かれているかが気になった。あの二人がわざわざブラッドリーの名前を出してまで頼んだというのも引っかかる。
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    umemhyk

    DONE【1話前編】ブラッドリー×モブ(名前無し)の夢小説のようなものを初めての小説として書いてみました。

    もしもあなたが、違うかたちでブラッドリーに出逢ったら?
    真っ白な大地を背に飛ぶ魔法使いへの憧れ。胸の奥にあるそのきらめきを、盗賊は必ず見つけ出す。どこでどんなふうに生まれても、“太陽”はきっとあなたを照らしてくれる…

    そんな祈りを込めてこの物語をお届けします。
    名も無き花はひだまりに揺れて 一輪目・名も無き銀細工師 〜前編〜カランカラン。

    その魔法使いは前触れもなくやって来た。
    まるで私の旅立ちを見計らったかのように。

    漆黒と白銀の髪、射抜くような夕闇色の瞳。

    「ようじじい」

    「いらっしゃいませ…おお、これはこれはブラッドリー様。久方ぶりですなあ」

    「あ、お前あん時のちっちゃいのか」

    「ははは、こんな老いぼれにちっちゃいのは止してくださいよ」

    「よく言うぜ。俺様の半分も生きてねえのによ」

    お師匠が何やら親しげに話しているのは、数十年ぶりにうちの店に来た“常連”だ。

    西の国の北東部、北の国との国境に近いこの銀細工屋は北からの来客も多い。なかでも盗賊を名乗る魔法使いの太客が数十年に一度来るとは聞いていたけれど、まさかたった一年修行に来ている私がその姿を見られるなんて。しかもここから旅立つ前日に。
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