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    ポチ

    tsr169

    MEMO完成版は支部に置いています、
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18690043

    途中までで読んでくださったり、ぽちぽち押していただいた方ありがとうございました!
    リーマンパロの巽マヨSS それは、一目惚れだった。開け放った窓から舞い込んだ一陣の風で舞う花びらを見ている時のように――風早巽は目が離せなかった。


    「風早先輩、今日からデザインコンペの会議に出るんすよね。そんだけしか食べなかったら会議中にお腹減りません?」
     話しかけてきた同じ部署の後輩の漣ジュンの手には、てんこ盛りの親子丼のトレイが運ばれている途中だった。自分といえば、次の会議のためにと数日前に渡された膨大な資料をコンビニのサンドイッチ片手に社内のカフェテリアで読みふけっているのだから、彼の昼飯に比べると随分と粗食に見えてしまうのだろう。
    「大丈夫ですよ、終わったら食べますから」
     高い天井の吹き抜けのガラス張りのカフェテリアにはあたたかな春の日差しが差し込んでいる。ともすれば美術館や大学のキャンパスのカフェのような空間だが、ここはれっきとした社員用の食堂エリアだった。傍に社員価格で買える食堂が併設されていて温かいご飯も食べれるが、巽は昼飯の事よりも目の前の資料に忙しい。仕事の合間に読んでおくようにと言われたが、昨日は飛び込みの新規案件があって、急遽懇意にしているディーラーの元に飛んで行って打ち合わせをしなければいけなかった。
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