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    ユーリ

    Satsuki

    DOODLE◎書けば出る!!の気持ちでユーリスFEH実装直前に書いたFEH軸の妄想レトユリレト。ユーリスを第一部でロストしている先生とユーリス。

    第一部でロストしていると、5年間の間にユーリスは……しているようなので、士官学校時代に足に大怪我でもして素早い身のこなしができなくなってしまいそれが原因で……みたいな妄想をしつつ書きました。明るくないです。
    巡り合い「よお、先生」
    「……! ユーリスか」
     ぐい、と額の汗を拭ったベレトは、どこかぎこちない笑みを浮かべて振り返ると、すぐにまた作物の方を向いてしまった。ニルヴァーナとかいう大仰な職の服を着崩して、畑仕事に勤しんでいるこのベレトは、なんとなくユーリスに対してそっけない。
     アスクとかいう得体の知れない場所に“召喚”されたユーリスを、士官学校の生徒たちが出迎えてくれたときは驚いた。年齢もさまざまな仲間、別の時空とやらから召喚されたという英雄たち。説明をされてもよく分からなかったが、とにかく呼ばれた目的は理解した。
     この戦いが、勝てる賭けなのかどうかは、ひとまず先客の中に『先生』がいたことで判断するしかなかった。この人がいてくれるなら、きっと大丈夫。そう思える程度には、元の世界でユーリスはベレトを信頼していた。同じようにアスクに召喚されていた、青みがかった黒髪の彼は、もちろんユーリスを歓迎してくれた。驚いたことに、髪の色が変わった後の彼もこの城に存在し、しかも複数人がいると知ったことはさすがにめまいがしそうになったが、そういう場所なのだと納得するしかない。扮装が普段と違っている人物がいることもそうだ。
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    Satsuki

    DOODLE〇レトユリ。どこかの世界線で賭けポーカーをする二人。賭博をするユーリスの夢を見たから書きました。
    カードゲーム「レイズだ」
     ベレトが完全なる『ポーカーフェイス』でそう宣言したので、ユーリスは信じられないといった面持ちになる。
     路銀が必要だった。前金が出そうな傭兵の仕事も、雑用めいた手伝いもない場末の酒場。ユーリスの提案で、二人はあまり素行の良くはなさそうな連中に混じってカードゲームに参加した。勝てる賭けしかしない、と言って憚らないユーリスらしからぬことに、負けが続いた。何のことは無い。イカサマだ。相手は二人組で、何かカードに仕掛けをしてあるらしい。ユーリスが「これで仕舞いだ」と言ったにも関わらず、相手は大勝負を持ち掛けてきた。テーブルの上の金を全部賭けようというのだ。
    「俺がやろう」
     一瞬しり込みしたユーリスの代わりに、ベレトが勝負を受けた。止める間もなく、相手はさっさとカードを配ってしまう。ああ、とユーリスは頭を抱えた。「あんた、カードなんてやったことないだろ!」と囁くと、ベレトは「きみのを見て、今覚えた」なんてさらりと言う。ああ畜生、これで素寒貧だ。ユーリスはもうどうにでもなれという気持ちでベレトの手元を見守った。あーあ、この短剣でも売り払えばちょっとは金になるだろうか。そう考え始めた時、ベレトは配られた手札を一枚も交換することなく、重ねて手の下に隠してしまった。
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