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    リニス

    HakurenTask

    MOURNINGもしかしたらお蔵入りにするかもしれん
    1842でカントボーイ学校が終わって声をかけてきたツレには適当なことを言ってごまかして家への帰り路を急ぐ。途中コンビニの前を通り過ぎようとしてあいつが前に気に入っていた飲み物とお菓子を買ってもう一度走り出す。夕方よりも少し早い時間。俺みたいに学校帰りなんだろう、学生服を着ているやつらを何人も追い越していく。家にたどり着いてガラス戸に手をかければがちゃん、と音がして鍵がかかっていることに気づく。母さんもパートに出てるんだろう。玄関のすぐわきにある植木鉢の下から鍵を引っ張り出して鍵穴に刺す。玄関には兄弟揃いのローファーが一足。弟みたいにかかとを踏んでるわけでもない。ものを大事にあいつらしいなって思う。居間に買ってきたものが入ってるビニールを投げて子供部屋への階段を上がる。カバンを勉強机のとこに置いて制服をハンガーにかける。もう週末だからシャツはクリーニングに出すために部屋の端に置いておいて、部屋着のパーカーとスウェットを身に着け階段を下りた。兄弟6人に両親二人何営う大家族だから、家の中には常に人の気配がある。それなのに今は家の中はしんと静まり返っている。だって、家の中にいるのは俺とあと一人。居間に置きっぱなしだったビニールを拾い上げてさらに奥の客間に足を進める。襖を開ければ部屋の中央に敷かれた一人用の布団の中、俺の足音に気づいていたらしい兄弟が体を起こして待ち受けていた。
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