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    一二三

    雨野(あまの)

    DONEひふ幻ドロライ第二回お題『イルミネーション』に沿った話です。幻太郎に片想いしている一二三の話です。幻太郎←←一二三って感じです。
    いつも読んでくださる皆さま、ありがとうございます。励みになります。
    SNOW DANCE カシャカシャ。小気味良いシャッター音を響かせて息をはぁっと吐き出す。白い息が舞えば、辺りの空気がますます冷えるような錯覚に陥る。ぶるりと身震い一つ。夜道にぽつんと佇む明かりに吸い寄せられ、自販機のボタンを二回押した。缶の温もりを手に馴染ませたのちに飲んだコーヒーは格別の美味さだった。

     夢野幻太郎の助手……と言えば聞こえが良いが、雑用係をするようになって数ヶ月が経つ。敵対同士である俺と幻太郎がどういったわけか共に食事をする仲となり、どういったわけか俺は幻太郎に恋心を抱いていた。思い立ったら即行動というわけで何度か彼に想いを打ち明けているが、その度に「お断りします」と拒否され続けている。
     告白も三回を超えた辺りだろうか、辟易とした様子で「小生と交際したいのならば、好きにならせる努力をしてくださいよ」と吐き捨てられたのである。というわけでかぐや姫の心を射止めるべく奔走する帝のごとく、俺も夢野幻太郎に好かれようと雑用係を買って出た。
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    雨野(あまの)

    DONEひふ幻ドロライ第一回お題「初めての」に沿ったストーリーです。付き合いたてのひふ幻。幻太郎に名前で呼んで欲しい一二三の話です。不穏っぽいけど激甘です。パワフル少女漫画。
    ひふ幻ドロライという素敵な企画に参加できて嬉しいです。
    そして読んでくださる皆さん、いつもリアクションありがとうございます。何よりの活力です。
    one two three step by step「ねぇ〜良いじゃん」
    「何がですか?おやつはさっきあげたでしょ。ポチ」
    「誰がポチだっての!!」
    「おや、お犬様ではなかったですか?」
     ワンワン、と鳴き真似をしてから茶目っ気たっぷりに笑う人物はシブヤディビジョン代表Fling Posseのメンバー兼俺の恋人である夢野幻太郎だ。
     つい一ヶ月前に恋人になったばかりで俺たちはラブラブのアツアツである。と言いたいところだが、一つだけ不満を抱いていた。
    「ポチじゃなくて一二三でしょ?ほら、リピートアフターミー!ひ、ふ、み」
    「ジ、ゴ、ロ」
    「もお〜幻太郎〜!」
     幻太郎が恋人同士になっても未だに〝伊弉冉さん〟と呼んでくることだ。まだキスすらも交わしていない二人だから、恋人同士ということを実感するためにも名前で呼んで欲しいと頼んでいるのにこうやってのらりくらりとかわされてしまう。これでは友人同士となんら変わりがないではないか。
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    雨野(あまの)

    DONE付き合ってないひふ幻。匂うはずがない一二三の匂いがしちゃう幻太郎の話。
    不治の病 それは朝食に、とたまごサンドに齧り付いたときだった。ああ、まただ。小さく舌打ちをして、とりあえず口の中のものを咀嚼する。何てことないただのたまごサンド。マヨネーズの風味が効いたたまごサラダをふわふわのパンで挟んだ素朴なものだ。近所のコンビニで買ってきたそれは人気の品物だ、とテレビのバラエティー番組でも紹介されていた。自身だって〝本来なら〟美味しくいただけたであろうそのサンドイッチを見つめ、ため息を吐く。
     夢野幻太郎は一週間前よりとある症状に悩まされていた。それは今のようにふとした瞬間にやってくるのだ。
     忌まわしいあいつの匂い。嗅いだだけで不夜城が脳裏によぎる華やかで艶やかな匂い。あいつ──伊弉冉一二三の匂いが自身に纏わりつくかのように香るのだ。もちろんあいつはこの場にいないのに。こうなってしまっては食欲も失せてしまう。一口だけ齧ったたまごサンドをラップに包み、冷蔵庫へと運ぶ。夜になれば食欲もわいてくるはず、あるいは〝野良猫〟にあげてしまっても良いな、とも思った。不幸中の幸いなのは外食中じゃなかったことだろう。さすがに飲食店に赴き、一口だけ食べて残してしまうのは心苦しい。
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    蚀风而行(蝕風而行)

    DOODLE一二三郎/日常【CB向】
    烤鸡【一二三郎】日常一只烤鸡,装在小小的锡纸盒里,三兄弟围着打折的团餐,烤鸡腿、可乐、最便宜的肉泥汉堡,哥哥工作的时候拿了不少钱,除去电费水费再多余的勉强够吃一顿,彼时半大的少年们挤在一个椅子旁边,那时候山田一郎甚至没有钱多买一条凳子,就这房间里最亮的光源摆好那些只有打折才吃得上的炸鸡汉堡,温热水汽从包装袋中透出来,弟弟们的眼睛都亮亮的,挤挤挨挨贴在哥哥两侧,大小不一的手一样抓着山田一郎的袖子,哪怕口水都滴出来了还是固执的要哥哥分配好。
    两份汉堡,显然即将成年的山田一郎一个,弟弟们一人一半,可乐也是双人份,炸鸡小吃品种不同勉强切开也可以匀一下,只剩下最重要的这只烤鸡,山田一郎到处求零工,隐约听着有些老板说童子鸡的分量卖成鸡价格,但胜在数量多也够便宜,所以外面鸡肉饭的分量堪堪相比面前这只童子鸡,打开外卖盒,两个小孩的声音越发明显,山田一郎揉了揉他们的脑袋慎重的分开两个鸡腿,给两个弟弟一人一个,从肉上流淌下来的汁液香得两个小孩晕乎乎的,一郎让他两小心拿着开始吃,这个鸡的分量真说不上大,两小孩吃着刚刚好,一郎忍住胃部的饥饿笑起来,拆开汉堡的包装又给他们两人分了一半,兄弟两惯用的水杯也把可乐倒上,这么一分下来,山田一郎面前几乎只剩一个汉堡一杯可乐几块小的炸鸡,十几岁长身体的年纪怎么可能吃得饱,但是他看着弟弟们笑起来认认真真吃肉的样子,心窝的暖意压下了胃部的不适,抿了几口可乐慢慢喝。
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