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    七緒

    流浪 @阿七おいしい

    DONE遙か7 阿七 √ED後、旅途中やむなく山中で野宿することになった話。

    最初に出たCD「運命の絆」手に入れて、そういえば七緒ちゃんが火怖い話書いたことないなぁって思い立って勢いで書いてみた。
    料理IH派なら戦国結婚後は大変だろうな…。

    CD色々新しい発見もできたし、阿国さん版風雲の時空も歌い方一人だけクソ可愛くて和んだし、一旦満足です(*´ω`*)ホクホク

    2021.10.5
    山の一夜 ──しくじった…。
     日没も近く、木々を通して辺り一面長い影と夕焼けの橙に染まる山中、足許に落ちる乾いた枯れ枝を選んで拾い集めながら、阿国は嘆息した。
     ──これまでさんざ気を付けていたのに、仕方ないとはいえあれさえなけりゃ…。
     忌々しく枝葉の隙間から覗く、夏より短くなった秋の夕空を睨む。どこからか山に帰ってくる鴉の鳴き声が聞こえる。それで改めてまざまざと日没を知らされて、諦念半分、しかしいつまでも消えない口惜しさに鬱々としてしまう。
    「…まぁとにかく、早く戻らないとね。いつまでも一人待たせておくのは危険だ」
     空から視線を切って溜息をこぼすと、それで一旦後悔は横に置いて、一抱えほどの十分な量になった枯れ枝を小脇に抱え直すと、阿国は来た道にならない道を目的の場所に向けてまた引き返した。
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    百合菜

    DONE幸村バッドエンドを元にした話。

    「これ以上、龍神の力を使わないでほしい」、幸村にそう言われた七緒はその言葉を守ることに。
    ふたりは九度山での生活を送り、七緒は普通の人として生き、幸村とも家族になる。
    ふたりの間には子どもも生まれ、一見平穏な生活を過ごすことに。
    しかし、三成との約束を果たすため、幸村は大坂の陣へ行くことに。
    バッドエンドでは命を落とした彼だけど、今回はどうなる!?
    ここから開く新たな未来1.

    「そう…… 豊臣方が……」
    「ええ、姫もご存知のように私には豊臣に切っても切れない義理がございます。この戦の結末は見えているに等しいですが、私には赴かないといけいない理由があるのです」

    慶長十九年(1614年)秋、九度山では一組の夫婦が真剣な眼差しで向き合い、話し合いをしていた。襖ひとつ隔てた寝室では子どもたちが寝息を立てている。
    話し合いをしているのは真田幸村と七緒のふたり。
    天下は徳川のものになったとはいえ、豊臣側の抵抗はたびたびおこなわれており、先日、ついに決定的な亀裂が入る出来事があった。
    そこで、豊臣側はかつての臣下に声を掛けており、幸村も戦いに加勢するよう使いのものがやってきたらしい。
    まっすぐ自分を見つめる瞳を見ながら、七緒はついにこの日がやってきたのかと思う。
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