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    不幸

    kawauso_gtgt

    Reuse Halloween探占続き。ちょっと書き直してベッターに行くやつ
    他人の不幸は蜜の味がする探鉱者
    すっかり疲れ果ててしまったのか。シーツに包まって背を向けている男はぴくりとも動く気配がない。シーツで覆いきれない首元に散らばる鬱血痕は誠実さの塊のような男に刻まれるにはアンバランスで。自分が酷くイケナイことをしているような気分になった。
    「ねえクラークさん」
    「っ、どうか、した?」
    散々
    喉はすっかり枯れていて。掠れた声が鼓膜を揺らす。
    「あなたの誘いに乗ってあげるよ」
    「え……?」
    ぎしり。二人分の体重を受けて悲鳴をあげるスプリングと共に今度はゆっくりと、身体が沈んでいく。
    「だからさ、取引しよう」
    「取引……?」
    その言葉の裏に何か不穏なものを感じたのか表情が固くなる。随分と警戒されたものだと息を吐けばますます警戒心を露わにする様はまるで小動物のようだ。緊張で固まった筋肉をほぐすように、ふわりと頬を撫でる。
    「僕達はさ。お互いに、厄介なものを抱えてる」
    忘れてしまいたいことが。忘れたくない、忘れてはいけないことが。どちらかは分からない。
    「深くは聞かないよ。誰だって探られたくない腹の一つや二つあるのは分かってる」
    第一興味もないしね。
    自分だってそうだ。自らの身体に刻み付けられた傷 686