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    博物館

    5210tiya

    DONE博物館で見た幻
    (カルデアに山南さんが来ていない世界線です。邪馬台国までにかなり出来上がっている南土です。とても雰囲気小説です)
    これはとあるカルデア。

    今回聖杯が博物館にかざられているということでマスター含めサーヴァント達は博物館を探っていた。その中には土方もいた。
    隣ではしゃいでいる沖田を尻目に土方はゆっくりと歩みを進めていた。
    と、土方はある展示物が目に入りそこから目が離せなくなった。見覚えのあるふさげた埴輪。それはついこの前に戦いがあった邪馬台国の出土品だった。
    「山南…」
    いつもすれ違ってばかりだったが邪馬台国で最後にお互いの思いを打ち明けられたことを思い出し土方はふっ…と気を緩めた。
    そんなことを思いながらガラス越しに赤い手袋が触れたその瞬間、突然しん…と音が無くなった。
    気づけば周りは夜のように暗くなり、騒がしかった人々も消えマスターも沖田もいなくなっていた。先程まではなんでもなかった展示品が不気味に感じられた。
    土方は異変を感じ、原因を探ろうとした。
    「…ッ…」
    その時首元に冷たさを感じた。まるで気配がしなかったがその存在は突然幽霊のように現れた。
    「動いたら斬る」
    それは厳しくはあったがどこか優しくて懐かしい声だった。
    「山南…?」
    「やはり土方くんなんだね。まさかこんなところで会うなんて…」 2072

    ponkikino

    MAIKING博物館でのアズと監の話を聞いていたジ→アズのジが監督生と喋る「あなたのこと、嫌いなんですよね。」
    閉店後のモストロラウンジ。大理石の模様に着飾ったメラニン化粧板の机を丁寧に拭きながら、ジェイドは唐突にそう言う。
    「嫌い?」
    同じく後片付け中だった監督生が手を止める。水槽に反射したジェイドの顔を捉え、へぇ、と小さく息を吐いた。
    「居残りまでして働いてる後輩に対して、ちょっと酷いんじゃないですか。」
    今、この空間にはジェイドと監督生、2人しかいなかった。閉店時間はとうに過ぎ、現在時刻は23時。閉店は21時で、バイトが帰るのは基本22時だ。
    「おや、あなたは正規に雇っているわけではありませんよ。」
    監督生は気まずげに顔を逸らした。つい先日ここに食事をしに来た際、グリムがラウンジの備品を壊したのだ。今日はその補填の、無賃労働というわけだ。だからこそ、労基法に基づいた高校生が働ける時間を超過させられているとも言える。
    2人の沈黙の間に、ふなー!というグリムの叫び声が聞こえる。続いてアズールの怒鳴り声。グリムは今日も皿を何枚か割っていた。どうやら監督生が解放してもらえるまでにはまだもう少しかかりそうだ。
    だから正直、2人とも時間を持て余していた。机の掃除は 2255