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    卵焼き

    Dochi_Kochi28

    MAIKING瓜江君のお話
    あまくない卵焼き  の草案
    後日談コメディ

    「目標、佐々木ハイセの部屋。捜索対象はここにあるはずだ。徹底的に探すぞ。」

    「おうさ!」
    「了解!」

    「では・・・捜索開始…対象、佐々木ハイセのレシピ本!!」
    「佐々木めし完全再現のために!」

    何気ない、というか、自分にはどうということはない、と思えばそれで済む話だったのだが。自分のために甘くないように味付けされた卵焼きがふと、今になって食べたくなった捜査官が一人。

    新しくシャトーに入ったクインクスの若者に、自分が味わった絶品飯を一口でいいから食べさせてやりたい、というオカン心を持つ捜査官が一人。

    あのカフェで、いつも自分たちを気遣って作ってくれたたくさんの料理。いつも温かくって、美味しい愛情たっぷりの料理。それを自分も作れるのなら、作ってみたい。そう思った青年が一人。

    この部屋は彼が去ったそのままになっていたはずだ。
    であれば、あの膨大なレシピはここにあるはずだ。
    それさえあれば。

    そう思い、見つけ出したレシピをもとに作ってみた味は、自分たちの思い出とははるかに遠いものだった。

    ぴーんぽーん。
    材料を片手に、瓜江は、かつての上司の家を訪ねていた 497