Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    実在

    時緒🍴自家通販実施中

    TRAININGお題 15時【お菓子・どこからともなく・油断】
    インド系の入国者の事件を解決した行動課。関係者からもらった紅茶で一息つこうと言う花城から隠れていちゃいちゃする狡宜のお話。実在の団体名が登場しますがフィクションです。狡噛さんがいたずらっ子な感じです。
    15時、チャイの下で「こんな時間だし、そろそろ休憩にしましょうか」
     そう花城が言ったのは、行動課のオフィスにかかった時計の針が十五時をさした時のことだった。
     ここにおいて、こういった休憩は珍しくない。というのも、俺たちはあくまでも実働部隊だったので、事件が起こらない日はくだらないデスクワークにかかりきりになるだけで、はっきり言って暇だったからだ。他の課と折衝をする課長の花城だけがその例外だったが、彼女が休憩したいというのだからここは従っておくのが賢明だろう。
     須郷が立ち、無言でコーヒーサーバーに向かう。しかし花城は彼がカップを手に取ったところで止めて、「今日は紅茶にしない?」と言った。
    「紅茶、ですか?」
     須郷が言う。誰が決めたわけでもないが、このオフィスには泥水のようなどす黒くまずいコーヒーを飲むという習慣があった。そう、誰が決めたわけでもないのに、俺がここに来た時には既にそうなっていたのだ。もしかしたら外務省全ての課がそうなのかもしれない。とはいっても、食堂のコーヒーはもう少しましな味だったのだけれど。
    3467

    みはいく

    DONE2022.6.11
    まだ自覚していない頃のふたり。ノヴァ君が先生のお酒を飲んでしまい、倒れてしまいます。酔っぱらってちょっとだけ先生に甘えます。
    先生とノヴァ君の一人称で物語が進みます。
    *リンガイア王国は十五歳で元服を済ませる私得設定なので、ノヴァ君は成人扱いです。
    *ゴッチェ・インペリアルは実在するお酒です。度数なんと92度!
    *酔っぱらっているので、ノヴァ君の父親の呼び方が普段と違います。
    サフランの雫 ランカークスの森の更に奥深く、他人がほとんど訪れない入りくんだ地形に、オレとオレの弟子が住む工房がある。
     オレの腕が壊れてから、人間の坊やを弟子にとって、こうやって工房に住むことになった。ヤツは鍛冶について学びながら、腕が利かなくなったオレの身の回りの世話もしてくれている。
     ヤツはオレにとって、そして他の人間たちにとって、いや地上の生きとし生けるものの命の恩人だ。言ってどうなるものでもないから言わないが、あのままなす術もなく手をこまねいていたら、地上はバーンのものになって、消し炭にされていたに違いない。この地上がそんな姿になるなど死んでも見たくない。ヤツがいてくれたからオレはあの剣を使う気になったし、つまるところ、オレの心は死なずに済んだのだ。バーンの所為で心が二度も殺されるなんて、まっぴらごめんだった。
    6381