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    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「風の強い日」
    ⏳🐈に妨害されつつ約2時間
    風の音って子どもの頃ちょっと怖かったなっていう思い出と、全てを塗り替えてくれる人の話。
    ※恋人設定
    風の強い日 子どもの頃、ダンデは夜中に風に揺れて鳴る窓の音が怖くて仕方なかった。
     耳を塞いでも枕の下に頭を捩じ込んでも耳に突き抜けてくる、まるで呻き声のような不気味な音は、風のせいだと聞いていても怖くて怖くて。そういう日はそろりと足音を立てないように両親の寝室まで行って2人のベッドに忍び込んだ。自分とは違う体温と、そっと撫でてくれる大きな掌に安心して夢の中に沈むことができたのだった。

     鈍色の空の中を、揺れる木々からちぎり飛ばされた枝葉が低い唸り声をあげながら飛び回っている。与えられた伽藍堂の部屋の窓から見上げるそれは、ハロンの時よりも何故か恐ろしく感じて、毎回ポケモン達を全員ボールから出して一緒に雑魚寝をしてもらっていた。キャンプ用の寝袋を床に敷いて、臆病な性格なのにダンデのことを守るように横に寝そべった一番の相棒にしがみつき、その温かいザラザラとした肌を感じながら、何故か胸の中に吹き続ける隙間風には気付かないふりをして夜を明かしたものだった。
    1949

    tooooruuuuakn02

    DONE【ハンルス】
    本編後の二人。特に害もない悪戯。


    *レカペでサポートプラスを頂いた方に先行してお渡しした、ハンルスの小話です。
    テンプレに詰め込むためにちょっと無理していた文字などを、少し寛げています。
    いたずら「あ……?」
     その日、小さな異変に気がついた。
     本当に小さな小さな異変で、恐らくは自分しか気づかない場所の異変。
     ロッカールームにある、何の変哲もないロッカー。その広くはない部屋に並べられた金属のそれは、ネームプレート以外、ほぼほぼ全て同じ姿かたちをしている。
     外見は統一性があれど、中に何を入れるかは個人のプライベートが尊重されている。先輩は恋人の写真を。同僚は先月生まれた娘の写真を。愛犬や両親、人それぞれにロッカーの扉の内側に貼り付けていて、着替えのたびにニコニコと眺めている様子が垣間見える。
     ハングマンのロッカーの中はというと、至ってシンプルで。
     トレーニングウエアと、シャワーのときに使うアメニティが少々、予備のタオルと整髪料といった多くの仲間が揃えている物がある程度。個性的ではないが、唯一あるとすればドアの部分に昨年末に軍から支給された、手のひらサイズのカレンダーがマグネットで貼り付けてあるくらいだ。
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