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    寝顔

    瀬羽の深いところ

    DONE⚠︎正限。少々の事後匂わせ。

    お題ガチャにて「隣で正守さんが寝ている。寝顔を見て、無意識に「好き」と言ってしまった限。まぁどうせ起きてないだろと思ったら、「俺も」と返ってきた。え、起きてたの?」を頂きました。

    少々改変しましたが、狸寝入りは大好きなので話の大筋はこちらからお借りしてます。
    いい子で寝よぼんやりと意識が浮上する。

    乾いた涙で上手く開かない目をうっすらと開けると障子から明かりが漏れている、まだ明け方だろうか。カサつく喉をそっと抑えて起きようとして、腕の中の温もりに気付いた。普段は限が抱き締められている事が多いが、今日はどうやら逆らしい。いつも余裕そうで大人びた均整な顔が穏やかに限の胸に寄りかかり、限が起きようとした事を無意識の内に察知したのか腕の力が強まって、とても水を飲みに行けそうに無いな。と思い直し、体を布団にもう一度沈めて甘えん坊の頭をそっと抱えた。

    皆から頼られて尊敬されて、勿論自分もそう思っている彼が、実は腕相撲では限に勝てなかったり、将棋や囲碁は得意でもババ抜きでポーカーフェイスを貫くのは苦手だったり、そういった些細な人間味が可愛くて、そして自分しか知らない気の抜けた寝顔や余裕の無い顔がたまらなく愛おしくなる。
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    oz3011347532190

    REHABILI荒の寝顔が気になる村の小話。
    村上はそのSEの性質上、よく眠る。意識がないので断言はできないが寝姿を誰かに見られることなどざらにあるはずだ。勿論、時と場合は選ぶが必要ならば本来は寝床に適さない場所で眠ることだってあった。部隊に配属後、早くに任務に出られたのはその成果といえる。だが、もとより何処でも眠れる性分だったかといえばそれは違う。本部内で眠ることに抵抗がなくなったのは自身のSEを把握し稽古をつけてくれた師匠の意向によるところが大きい。どういったSEでどの程度の再現が可能でどれくらいで反映されるのか。それを見極めながら実地で弧月の扱いを教わったのだ。疲れのせいではなく学習の為に、皆が目に見える努力を重ねる新天地で一人眠ってしまうことに恐れに似た感情があったことは誰にも言っていない。目覚める度に誰かが迎えてくれたことで寝入ることへの抵抗が薄れていった。得られた成果を褒められることで、もはや自然に行えるようになったのだ。支部で自室を与えられていることを思えば、家族を除き村上の寝姿を見た回数が最も多いのは荒船という師匠だろう。だからこそとでも言おうか。目覚めの際に真面目な顔で声を掛けられ、時には笑いながら促された。そんな相手の寝顔は、村上にとってとても貴重なものに感じられたのだ。
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