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    尊い

    オルト

    TRAINING出張中の成人済み同棲タイカケ
    なんてことない日常会話って、尊いですよね……。
    「ん?」
     スマホの画面が着信を告げる。マナーモードにしているから音楽は流れないが、映し出された画像とテキストが、大好きな彼からの着信であることを告げる。
    「え、うそっ」
     めずらしい。タイガから掛けてくるなんて。もしかして、またお金持ってないのにタクシーに乗っちゃった? でも、今すぐには助けに行ってあげられない。だって……
    「しもしも~? タイガ、どうしたの? こんな時間に。今そっち夜中だよね?」
     今俺は、出張で国外に来ている。時差の関係で今日本は夜中の筈だ。
    「あー。でも、この時間じゃないと、おめぇ電話に出られないと思って」
     眠そうなタイガの声。きっと目をこすりながら、ぼんやりした顔で電話をしているのだろう。容易にタイガの様子が想像できる。
    「そ、それはそうだけど……。何かあったの? こんな時間にわざわざ電話なんて」
    「何かなきゃ、電話しちゃいけねーのかよ?」
    「え?」
     何もないのに、電話してきたってこと? 普段、電話どころか、メッセージも一言二言しか送ってこないのに?
    「最近、声、聴いてなかったし……。文字で『元気か?』って聞いても、おめぇなら絶対元気だって返すだろ、元気じ 1413