志郎
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DONE若やまささ+弾児郎、源志郎「この拳が護るもの」⑥(終)
※弾児郎の物語。
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※途中残虐・流血表現あり。
この拳が護るもの⑥(終) 10
元柳斎と卯ノ花、長次郎、源志郎が近付いてくる。太太とした黒眉をわずかばかり上げた元柳斎は、厳しいとも案ずるとも言える神妙な眼差しを雨緒紀たちに注いでいる。その隣の長次郎が目を丸くしながら「王途川殿、それに五番隊の皆さん、何故ここに……」と呟くと、雨緒紀はすかさず言葉を返した。
「四楓院の許可は得ている」
「厳原殿の許可は……」
今度は答えることなく、雨緒紀は居心地悪そうに目を逸らす。伏せられた視線が再びこちらへと向けられ、何かを訴えかける小さな光が闇色の瞳の奥で輝いたのを見て取った弾児郎は、収まりかけた動揺がぶり返すのを自覚しつつ、必死に口を動かした。
「お前が連れて来たのか? おれが昼間言ったこと……」
11749元柳斎と卯ノ花、長次郎、源志郎が近付いてくる。太太とした黒眉をわずかばかり上げた元柳斎は、厳しいとも案ずるとも言える神妙な眼差しを雨緒紀たちに注いでいる。その隣の長次郎が目を丸くしながら「王途川殿、それに五番隊の皆さん、何故ここに……」と呟くと、雨緒紀はすかさず言葉を返した。
「四楓院の許可は得ている」
「厳原殿の許可は……」
今度は答えることなく、雨緒紀は居心地悪そうに目を逸らす。伏せられた視線が再びこちらへと向けられ、何かを訴えかける小さな光が闇色の瞳の奥で輝いたのを見て取った弾児郎は、収まりかけた動揺がぶり返すのを自覚しつつ、必死に口を動かした。
「お前が連れて来たのか? おれが昼間言ったこと……」
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DONE若やまささ+弾児郎、源志郎「この拳が護るもの」⑤
※弾児郎の物語。
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※途中残虐・流血表現あり。
この拳が護るもの⑤ 7
葉がことごとく落ち、枯れた細木ばかりが目立つ森でも、身を隠すには最適ということには変わりない。夜となれば視認性はさらに低くなり、視覚に本来の働きを期待できない分、他の感覚機能を頼りに状況を判別しなければならない。
そしてそれは、こちらだけでなく相手にも言えることだ。森に入ってから追ってくる以外の別の虚の気配を感じていた長次郎は、前を行く元柳斎に目を据え直す。そのまま絶えず警戒を巡らせながら走り続けていたところ鼻先に一つ、冷たいものが触れ、ふと顔を上げた。
頭上に広がる枝の向こうには、厚い雲が覆った夜空がある。どんよりとした雲から白いものがちらつくのが見えた長次郎は、思わず「雪だ」と息を漏らした。意識を闇に預けていたせいで感じなかった冷たさを、思い出した。
13350葉がことごとく落ち、枯れた細木ばかりが目立つ森でも、身を隠すには最適ということには変わりない。夜となれば視認性はさらに低くなり、視覚に本来の働きを期待できない分、他の感覚機能を頼りに状況を判別しなければならない。
そしてそれは、こちらだけでなく相手にも言えることだ。森に入ってから追ってくる以外の別の虚の気配を感じていた長次郎は、前を行く元柳斎に目を据え直す。そのまま絶えず警戒を巡らせながら走り続けていたところ鼻先に一つ、冷たいものが触れ、ふと顔を上げた。
頭上に広がる枝の向こうには、厚い雲が覆った夜空がある。どんよりとした雲から白いものがちらつくのが見えた長次郎は、思わず「雪だ」と息を漏らした。意識を闇に預けていたせいで感じなかった冷たさを、思い出した。
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DONE若やまささ+弾児郎、源志郎「この拳が護るもの」④
※弾児郎の物語。
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※途中残虐・流血表現あり。
この拳が護るもの④ 5
尸魂界に、夜の帳が降りようとしている。瀞霊廷のいたるところで一つ、また一つと篝火が焚かれ、漆喰が塗りたくられた白壁が炎と同じ色に染まりゆくのを見た金勒は、いよいよか、と我知らず声を漏らした。
総隊長不在の間、瀞霊廷での陣頭指揮は金勒がとることとなった。本陣となった三番隊舎周辺には三番隊士と元柳斎から預かった一番隊士が控えており、塀を隔てているにもかかわらず、隊士たちが迫りくる脅威に備え四方に神経を張り巡らせている気配を肌で感じる。
「先程善定寺から報せが入った。じきに虚たちが瀞霊廷に到達する」
金勒は、庭で待機していた出立組へと声を掛ける。元柳斎がうむ、と短く唸る声がした。
13435尸魂界に、夜の帳が降りようとしている。瀞霊廷のいたるところで一つ、また一つと篝火が焚かれ、漆喰が塗りたくられた白壁が炎と同じ色に染まりゆくのを見た金勒は、いよいよか、と我知らず声を漏らした。
総隊長不在の間、瀞霊廷での陣頭指揮は金勒がとることとなった。本陣となった三番隊舎周辺には三番隊士と元柳斎から預かった一番隊士が控えており、塀を隔てているにもかかわらず、隊士たちが迫りくる脅威に備え四方に神経を張り巡らせている気配を肌で感じる。
「先程善定寺から報せが入った。じきに虚たちが瀞霊廷に到達する」
金勒は、庭で待機していた出立組へと声を掛ける。元柳斎がうむ、と短く唸る声がした。
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DONE若やまささ+弾児郎、源志郎「この拳が護るもの」③
※弾児郎の物語。
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※途中残虐・流血表現あり。
この拳が護るもの③ 4
鉛のような空気に、有嬪の声が響く。深刻な面持ちで耳を傾ける隊長たちを順に見やった長次郎は、次には元柳斎の向こう隣、先ほどは座る者がいた場所へと視線を移すと、胸の辺りがじんと重くなるのを感じた。
本日二度目となった全隊長の招集。集まった顔ぶれの中に、しかし先の当事者であったはずの源志郎の姿はない。元柳斎が自室に下がらせたのだ。
長次郎は虚の襲撃後の源志郎を思い出す。茫然自失として佇んでいた源志郎の手には使われることのなかった斬魄刀が握られ、肝心なところで身が竦んでしまった未熟者を悔やむように、あるいは嘲るように、だらりと下がったまま揺れていた。
戦う者であれば一度は経験したことのある、〝恐怖〟という洗礼だった。恐怖は常に人間のそばで息を潜めている。そうしていつの間にか背後から両の手を伸ばして目隠しをし、思考も、理性も、努力も、知識も、全てを無へと変貌させる、まさに魔的な存在……。その冷たさに、源志郎は身動きが取れなくなってしまったのだ。
9398鉛のような空気に、有嬪の声が響く。深刻な面持ちで耳を傾ける隊長たちを順に見やった長次郎は、次には元柳斎の向こう隣、先ほどは座る者がいた場所へと視線を移すと、胸の辺りがじんと重くなるのを感じた。
本日二度目となった全隊長の招集。集まった顔ぶれの中に、しかし先の当事者であったはずの源志郎の姿はない。元柳斎が自室に下がらせたのだ。
長次郎は虚の襲撃後の源志郎を思い出す。茫然自失として佇んでいた源志郎の手には使われることのなかった斬魄刀が握られ、肝心なところで身が竦んでしまった未熟者を悔やむように、あるいは嘲るように、だらりと下がったまま揺れていた。
戦う者であれば一度は経験したことのある、〝恐怖〟という洗礼だった。恐怖は常に人間のそばで息を潜めている。そうしていつの間にか背後から両の手を伸ばして目隠しをし、思考も、理性も、努力も、知識も、全てを無へと変貌させる、まさに魔的な存在……。その冷たさに、源志郎は身動きが取れなくなってしまったのだ。
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DONE若やまささ+弾児郎、源志郎「この拳が護るもの」②
※弾児郎の物語。
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※途中残虐・流血表現あり。
この拳が護るもの② 3
まるで夢の中をさまよっているようだった。隊舎に戻り、隊士を下がらせた弾児郎は日が陰り薄暗くなった自室で一人、一連の出来事を自分ごととして咀嚼することができない胸の内と戦っていた。任務に出た隊士が死んだと聞かされて、血の付いた筵を目の当たりにして、その亡骸を確かめて……かつて人であったもの、としか言いようのない状態まで損傷した肉塊が自分の部下だったとは、信じたくもなかった。
出立の日のことはよく覚えている。頭に青い手拭いを巻いた隊士と、隊の中でも小柄だと言われている隊士が揃って弾児郎のもとを訪れ、今より現世に向かいますと告げた時のことを。
今回の任務に二人を推挙したのは弾児郎だ。隊長直々のお達しに息を弾ませ、どこか誇らしげに胸を張る二人を前に自分の頬が緩んだのを思い出した弾児郎は、そのあたたかな思い出が急激に冷たくなってゆくのを感じながら、壁の一点を見つめていた。
8564まるで夢の中をさまよっているようだった。隊舎に戻り、隊士を下がらせた弾児郎は日が陰り薄暗くなった自室で一人、一連の出来事を自分ごととして咀嚼することができない胸の内と戦っていた。任務に出た隊士が死んだと聞かされて、血の付いた筵を目の当たりにして、その亡骸を確かめて……かつて人であったもの、としか言いようのない状態まで損傷した肉塊が自分の部下だったとは、信じたくもなかった。
出立の日のことはよく覚えている。頭に青い手拭いを巻いた隊士と、隊の中でも小柄だと言われている隊士が揃って弾児郎のもとを訪れ、今より現世に向かいますと告げた時のことを。
今回の任務に二人を推挙したのは弾児郎だ。隊長直々のお達しに息を弾ませ、どこか誇らしげに胸を張る二人を前に自分の頬が緩んだのを思い出した弾児郎は、そのあたたかな思い出が急激に冷たくなってゆくのを感じながら、壁の一点を見つめていた。
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DONE若やまささ+弾児郎、源志郎「この拳が護るもの」①
※弾児郎の物語。
※やまささと言い張る。
※捏造あり。かなり自由に書きました。
※途中残虐・流血表現あり。
この拳が護るもの① 1
闇を溶かしたような地獄蝶を横目に、隊士は道なき道を進む。
現世と尸魂界を繋ぐ狭間の領域〝断界〟。外界よりも時間密度が高く、例え死神であろうと地獄蝶の存在なしには安全に渡ることが難しいとされる危険かつ不安定な空間。何度かの現世任務を経て断界の横断には慣れつつあるものの、難しいことには変わりない。隊士は背中に冷や汗が伝うのを感じながら前を走る同胞に目を向けた。
かろうじてその姿を視認できるほどの薄闇の中、夏空を思い出させる鮮やかな青が同胞の動きに合わせて揺れている。彼が頭に巻いた、ゆうに六尺を越えるであろう青の手拭いは、小柄な自分が羨むほどの恵まれた体躯と合わせて彼の特徴とも言える要素だった。
10967闇を溶かしたような地獄蝶を横目に、隊士は道なき道を進む。
現世と尸魂界を繋ぐ狭間の領域〝断界〟。外界よりも時間密度が高く、例え死神であろうと地獄蝶の存在なしには安全に渡ることが難しいとされる危険かつ不安定な空間。何度かの現世任務を経て断界の横断には慣れつつあるものの、難しいことには変わりない。隊士は背中に冷や汗が伝うのを感じながら前を走る同胞に目を向けた。
かろうじてその姿を視認できるほどの薄闇の中、夏空を思い出させる鮮やかな青が同胞の動きに合わせて揺れている。彼が頭に巻いた、ゆうに六尺を越えるであろう青の手拭いは、小柄な自分が羨むほどの恵まれた体躯と合わせて彼の特徴とも言える要素だった。
ubattsu
DOODLE2025/2/2~2025/2/14※パスワードはナナミちゃんの誕生日をMMDD(数字4桁)で
カモノハシのイコちゃん&スマートイコちゃん&カモノハシのイコ太&カモノハシのイコ美
ヤドン
マイ
真田志郎 4
玖珠-kusu-
DOODLE2025-0202/この年齢の子がタバコ吸うのは普通に賛成できないけど…ゲームというファンタジーの中なので許される。良き…誠志郎はタバコ似合うんだよ…十夜とは違って別のグループともつるんでそうだし 2Lyu@TRPG用
MEMOCoC『Call the Name of Your Fate.』◆作者◇
結井ななきそ // 左に右折様
◆KP◇
Lyu
◆PC/PL◇ 敬称略
堀辺 澄美 // くま吉
犬間 篤志郎 // なささび
◆◇ END:A 両生還 ◇◆ 2
yatsu_gai
INFO[24.3月]CoC『かいぶつたちとマホラカルト』作.辿条様
KP:明月
PL/PC:
HO1:ミキモトさん/弭間志郎
HO2:秋透さん/倶壇真生
HO3:燈さん/百目鬼紅
HO4:みすみさん/天束庵
24.3.13~24.3.27 全生還 2
Komugiko_Trpg
MEMO『オールドメン・アクト・ライク・エンジェルズ』作:ヴォンボ様KP コムギ子
PL/PC
ガムさん/天ヶ瀬 栄里
柩さん/那須 志郎
某さん/伊香保堂 泰鷲
メンジェ第四陣
ミニスカナースのおじさん達の冒険
最近使ってなかった雑コラ用ナース服素材使って頂けて、ニッコリです
エンドAで生還です!おつかれさまでした!!
たくさん考えてたくさん話し合って勝ち取った勝利です✌️
yojigazou
SPOILERhttps://fusetter.com/tw/JIB0ybRJ#allこれのおまけというか補足のような漫画
清志郎ってほとんど無意識のように物事を観念的に見る癖がありそう 2
0_0red
DOODLE災異神げんみ×エンドカード風
1便のそれぞれの視点から見た姫たち。のイメージで描いてたやつをとるとさんが使い続けてくれましたありがとう・・・
なお青龍姫は銀志郎の肩に乗ってる。 5