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    明智

    manju_maa

    PROGRESShttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24435026の続き。

    明智先生過去編まとめ。
    『そうはならんやろ』がいっぱいあるけど勢いで読んでください。
    新任教師明智先生と前歴持ちの雨宮君の話⑧────『獅童正義』
    その名前と姿を初めて見たのは、中学生の時だった。
    社会科見学として国会議事堂に行った時に、あろうことか案内役の大人が当時はまだ知る人ぞ知る程度の認知度だったその男を連れて来たのだ。教育側の人間からしたら実際に現場で働いてる人間に説明させる方が子供の学習になるはずだ、という方針だったのだろうし、担任だった女も満足気にその話を聞いていた。周りのクラスメイト達も『へー』だの『すげー』だのと中身のない返事をしながら聞いていた。
    ……僕だけが、その男の顔を焼き付けるように見ていた。話は自分の心臓の音で何も聞こえなかった。
    母は生前に『まさよしさん』と知らない男の名前を呟きながら泣いていることがあった。それが父の名前であるのはなんとなく察していて、母の死後は何処にいるかも分からない『まさよし』をいつか見つけたいと思っていた。見つけて、どうして母を捨てたのか聞きたくて、ずっと迎えに来てくれなかったことを謝ってほしくて。ずっと。ずっと、いつか会いたいと。
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    manju_maa

    DONE私がインフルエンザで苦しかったので明智にもインフルエンザに苦しんでもらいました(カスの発想)

    例によってメンタルクソザコ明智に仕上がっております。当社比主明
    明智がインフルエンザになる感じの主明[十六歳 ~冬~]

    「...おぇ...っ...」
    狭いトイレの中に座り込んで便座の中に顔を向けながら、喉の奥からせり上がってくる辛くて熱い中身を吐き出した。昨日から何も食べていないから、出てくるのはもはや泡立った胃液だけ。こうしてトイレに駆け込んで胃袋がありもしない中身を戻したのは今日で五回目になる。
    嘔吐するのも楽ではないのだ。ただでさえ高熱で意識が朦朧としているというのに、これ以上負担を増やさないでほしい。
    電気の一つも付いてない薄暗い部屋の中で、ポケットに入れたスマートフォンの画面を見る。先日送った五日間は家から出れない旨を伝えたメールに対する返事は来る気配がない。呆れられているのだろう。最悪見限られた可能性すらある。年端のいかない子供がインフルエンザにかかろうと心配する素振りもない。もとよりそんな子供に殺人を命じているような男だ。アイツにとっては仕事の完了報告以外のメールなど関心がないのだ。例えそれが実の息子相手であったとしても。
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