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    本編

    kepe464

    PAST〜2025グリウルDay〜
    2022.4月頃 64人魚パロの翻訳中に夢で見た話を小説っぽくしたものをこっそり公開
    ※後日談の雰囲気ですが細部が違うのでファンアートです
    本編は日本語翻訳して5万6千字です!!俺すげえ!!!グリウルはいいぞ!!!
    https://www.pixiv.net/novel/series/8870129
    【グリウル人魚パロ】Ecdysis /Fanart 海に落ちる人間を見た。
     何時の話かは覚えていないが、原因は……確か、鉄の塊の。『船』と言ったか。
     ソレが壊れて、轟音とともに人間が次々と白波を立てて落ちていくのを見たことがある。
     人魚にとって人間は、似て非なる種族。
     姿が似てるからといって助けようと思わないし、あの脆弱な肉体がこの深さまで落ちてきたらそもそも助からない。
     海中に血を滲ませながら、文字どおり海の藻屑となっていく人間たちをぼんやり眺めていたのだが、今でも脳裏に焼き付いている光景がある。
     二人の人間が腕を背に回した体勢で、海底へ沈んでいったのだ。
     それは雄と雌だったり、親子だったり。
     雄と雌に至っては唇を塞ぎあっていた。
     酸素の確保だろうか? しかし一塊になれば、重さでさらに速く深く沈むだけだというのに。知能が高いはずの種族が、そんな行為をする理由が理解できなかった。
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    アンドリュー(鶏)

    DONE2025年5月30日~6月1日開催の『星の祝祭Ⅵ』に併せて公開の新作です。
    ビネ・デル・ゼクセに住む絵描きの少年とクリスのお話。

    この絵描きの少年は、ゲーム本編ビネ・デル・ゼクセのクリスの邸宅近くにいるモブの少年がモデル。名前などの設定は個人の妄想ですが、彼が絵を描いていてクリスに見てもらっているらしいセリフは本編で見られます。
    よかったら幻想水滸伝3のゲーム本編で確かめてね!リマスターほしいね
    女神の愛する庭で 少年が瞬きをしたそのとき、目の前の猫がごろんと転がった。白猫はとても心地よさそうな様子で青々とした芝生に四肢を伸ばしている。少年はあっ、と声を上げた。そして黒炭を持ったままの右手で、汚れるのにも構わず自身の金髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。そしてまだ余白の多い自らのスケッチと眼前の白猫を交互に見た。集中して書き込んでいた背中側の毛並みは、今はすっかり芝生に埋もれて隠れてしまっている。というより、もはや彼が描き込んでいたポーズとは端から変わってしまった。少年は深いため息をついた。
     少年と白猫の出会いは数十分前のことだった。港町ビネ・デル・ゼクセ生まれのごく普通の少年──リアンは、その日路地裏で一匹の白猫を見つけた。緑の目をした真っ白の猫で、その細身でしなやかな身のこなしから雌の猫だろうと思われる。ほの暗い路地裏の、建物のすき間から昼下がりの陽光が差している一角に白猫はごろんと転がって毛繕いをしている。彼は白猫が逃げないように少し距離をとり、そして脇に抱えた自分の顔くらいの大きさのスケッチブックを取り出してその場にしゃがみこんだ。
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