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    MzkLk_TW

    MOURNINGまっさらのひみつ (ユキモモ)
    以前フォロワーさんらと話していたLOVE/LESSパロ…というか耳の設定だけ拝借したはなし。

    耳あり時空だと同棲時代がますます甘苦しい泥沼になりそうでモモちゃんが切ないね。
     耳のないアイドルってどう思う?
     自分の心臓が大きく一度、跳ねたのがわかった。
     即座に、なんてことないふりをした。どうゆうことー、と殊更明るい調子を装って、ジョッキを揺らして酔っ払いの真似事をしながらどうか、きっとほんのコンマ一瞬、こわばった顔を見られていませんようにと願った。
     耳が落ちる、とは。
     耳を持たないということ。とは。
     自分ではない知らない誰かに身体の奥深くまで愛されたことを堂々と白昼に晒して、そんな生々しいパーソナルデータを周囲に見せつけて、それで笑っていられるのかと言外に言われた気がした。
     アルコールが揮発して満ちた部屋の中に自分の吐息から嘘が溶け出して、異臭を放つような錯覚。誰も気づかないで。落ち着きなく、ぬるくなったビールで唇を湿らす。口の中が乾いていく。喉が引きつって、うまく笑えているか分からなくなる。
     みんなから愛されたいと願いながら、みんなに愛してほしいと訴えておきながら、もうたった一人の誰かの腕に抱かれてしまったオレの真実に気づかれたくなくて怯えている。
     ――嘘。
     本当はもっと怖いものがあるよ。
     可愛いねと微笑んで指差すその耳が本物じゃない 2762

    はるみや

    DONE『この顔はお見せできません』
    泥酔モさんと絡まれるチェくんと巻き込まれるアロ。チェズモク。
    トんでしまいそうな例の顔を意図的にやってるか知らんが、ガチ照れしてる顔のほうが見せるの抵抗あるとかだと可愛いなって思いました。
     極東の宝石箱と謳われる島は夜が更けても尚活気づいており、得てして時間感覚を曖昧にさせるが、携帯端末の画面に刻まれた時刻は確りと丑三つ時を刻んでいる。
     しかしながらアーロンの表情を濁らせていたのは、現時刻でも、その時間まで長引いた仕事に対する疲弊や、それに付随する苛立ちでも無い。受話器のアイコンと共に表示される、煌々と光る“クソ詐欺師”の文字だった。
     “クソ詐欺師”とは、現在行動を共にしている仲間の内の1人であるチェズレイ ニコルズを指す。彼の名が表示されることは、アーロンにとっては煩わしい知らせであることと同義だ。スクリーンを睨めつけるも、コールが途切れることはない。携帯端末を投げ捨ててしまいたい衝動に駆られたが、どうにか堪えた。どうせ着信を拒否したところで何かしらの手段を用いて強引に連絡を取りつけるか、後々顔を合わせた際に散々嫌味を言われるかのどちらかであるのを知ってるからだ。
     舌打ちをし、アーロンは渋々受話器のアイコンをタップした。
    『怪盗殿』
    「ンだよ、こんな夜中に。切るぞ」
    『怪盗殿、お待ちを』
     アーロンは眉を顰めた。
     電話越しに聞こえるのは確かにチェズレイの声だ。 5893

    ju__mati

    MOURNING支部にあげてる『泥闇〜』の夜明けのベランダシーンの七海目線が出てきたのであげてみますね。ここまで書いて、五条目線の方がいいな、と思ったので書き直したんですが、これはこれで気に入ってます。ある晩、七海はふと目を覚ました。カーテンの向こうはまだ暗い。その日は早めにベッドに入ったはずだったが、もう一度目を閉じても眠れない類の目覚めだった。ため息をついてベッドを降りる。
    スマホで時間を確認すると、まだ深夜と言っていい時刻だった。暗い部屋にスマホの画面だけが光る。ホーム画面に戻っても、SNSの通知も着信も来ていない。またひとつ、ため息をつく。
    フロアランプをつけてリビングへの扉を開ける。特に何をしようと思ったわけでもなかったが、あとから考えれば何かしらの予感があったのかも知れない。台所で水を飲み、顔を上げると、ちょうど掃き出し窓が目に入った。明確な胸騒ぎを覚え、そっと窓際へと歩を進める。
    七海には目の前の呪力しか見えないが、それでも気配で分かった。窓の向こうに誰かがいる。勘違いでなければ。

    「五条さん……」

    カーテンを開けた先のベランダに、五条がいた。手すりに肘をつき、もう片方の手をひらひらと振って、こちらを見ている。慌てて解錠し、窓を開ける。

    「よっ、元気?」

    サングラス越しの五条の表情はよく分からなかった。唇はいつも通りの笑みを浮かべているように見える。七海は、とっ 2928