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    waremokou_

    DOODLE🏴‍☠️パロのハイオキ(未満)
    青木が瀕死。若干のオモオキ要素。
     空を見上げた誰もが、その瞬間に息を飲んだ。真昼間の青空、そこから落ちる黒い流星はまるで泳ぐようにぐるぐると激しく旋回しながら真っ逆さまに海へ線を描く。
     戦況は最悪というに等しかった。
     懸賞金億越えの海賊団、その討伐へ向かうアオキ率いる海軍艦隊は、現状軍が有する最強の部隊であることに間違いはなかった。圧勝などとは言わずとも、その勝利は誰もが確信するところだった。確かに、戦況は最悪だが僅かの差で軍に勝利の兆しはある。——それが今、大きく不利な状況へと舵を切っていた。両翼を広げれば五メートルはあるだろう巨大な鳥は、派手な水飛沫をあげまるで砲弾が着水したかのような音を立てて海へと叩きつけられた。着水面は巨体のぶんだけ大きくなる。嘴から、カワセミのように入水できればあるいは損傷もなかっただろうが、高い高度から一気に打ち付けられたそれは、柔であるはずの水面をコンクリートや鉄のように硬い面へと変えてしまった。キイッと鋭い鷹の悲鳴は、続け様打ち込まれた砲弾によりもがくように海底へと引き摺り込まれていく。翼が、妙な角度に折れ曲がっていた。じわりと海を汚す赤が、膨大な水に揉まれ消えては浮かぶ。まるで海が、鳥を飲み込むように波が立った。そのひと波だけで。たったそれだけで巨鳥の姿は海の中へと消えてしまった。
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    siiba_n

    MAIKING※書きかけで未完結。2021年に書いていたものです※
    捏造100%/なんでも許せる人向け/流血注意

    魔法使いによる襲撃を受けた魔法舎で、賢者は瀕死の重傷を負ってしまう。
    『道連れにしますね、晶』
    そう言ってミスラに意識を奪われ、目が覚めた時に賢者は北の国の雪原にたった一人取り残されていて──
    終焉がそこにはあった#1〜301

     短い人生の中で、一番大きな事故といえば思いつく限りで家の階段から落ちたことだった。まだ俺がよたよたと足取りもおぼつかない赤子の頃、母親が少し目を離したすきにごろごろと転げ落ちたらしい。当然のように俺はその事故を覚えていないが、額にはその時に切ったという傷跡が今でもうっすらと残っている。五ミリほどの裂傷は肌に馴染んでいるため今では気にすることもないが、思い出話として母親は時折口にした。「貴方はとってもお転婆だったのよ」と。果たして、お転婆の使い方としてあっているかどうかは疑問をもつところではあったが。
     バンジージャンプもスカイダイビングもしたことのない、落下初心者の俺には難易度の高い紐なしバンジーダイビング中、このまま死んでしまうのだろうかと、そんな取り留めのない記憶を思い出していた。
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