Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    物語

    kasai kou(加彩 煌)

    MOURNING何の因果かBloodborneの世界で目覚めたハチワレ。
    狩人の夢の世界で屋敷の主人・ゲールマンとその従者・人形と出会い――……。
    突然”獣狩り”に参加する羽目になったハチワレの短い物語。

    ――可愛さだけを武器に獣狩りの夜に挑む。

    *ハチワレ×ブラッドボーンのクロスオーバーギャクです。数年前に考えたネタを雑ですがSS風にしてみました。他サイトに置いたSSに少し加筆しています。
    ハチワレボーン【ヤーナムへようこそ】――報酬でお菓子を買って、皆で食べる筈だったのに……。どうして。

    憂鬱な霧と重苦しい静寂の中でハチワレは目を覚ました。空気はひんやりと冷えていて、起こした身体の周りから土の匂いがしてはっとした。乾いた土の感触が伝わって来た。どうやらずっと地面に横たわっていたらしい。小さな身体は冷え切っていた。
    起き上がって数秒、何処からか物悲しいメロディーが流れてくるのに気が付いた。クラシックで心に纏わりつくような音色はあまりにも美しい。耳を澄まし、音のする方へとハチワレは歩き出した。まるで見えない何かに誘われているようだった。
    花嫁か被るヴェールのような霧が徐々に薄れ、土と緑で埋もれた小道が現れた。小道には高い木が植えられていて、その下に灰色の石造りの墓石のようなものが並んでいた。大きさはどれも同じぐらいだが、ひとつひとつの装飾が異なり、彫られている文字も違っていた。中は空っぽだが、平らな器や聖水盤に似た作りの像が置かれているところもあった。墓石はきちんと手入れはされているが、不気味だった。ハチワレはそこで初めて怖気づいた。
    16769

    osame_jr

    DOODLE伊月暁人くん誕生日おめでとうございます。
    あなたたちの物語から抜け出せないまま(その気も無いまま)また1年が経ちました。
    いろいろと衝撃的なこともあった1年でしたが、今年もあなたに幸多い一年となりますように。

    また今年もアジトメンバー生存HAPPY時空です。
    去年のものと同時空です。知らなくても全く問題ありません。
    普通に乾杯「幽玄坂まで」
     乗り込んだタクシーの運転手にそう告げて、僕はほうと息を吐きながらシートに体を預けた。
     長かった仕事がようやく終わった。本当はもっと早く片付けるつもりだったのに長引いてしまったからか、少し疲れが溜まっているようだ。
     惜しんでくれる人もいたし、馴染めていたとも思う。もしかしたら、こんな未来もあったのかもしれない。普通の会社に入って、普通に朝起きて通勤ラッシュの電車に揺られ、普通に書類に追われ、普通に夜は家に帰って眠るような、普通の生活。この経験は僕にとっての「普通」とは全然違っていた。
     同僚も上司もみんな良い人たちだったけど、今はしばらく顔を合わせていなかった面々が恋しい。
     目的地までそう時間がかかるわけではなかったが、どうしたって慣れない通勤ラッシュの電車は疲れるし、任務完了の報告への返事で許可ももらっているのでありがたくタクシーを使わせてもらった。
    2661