2022.01.31

　テーマパークで操を見失ってしまった。いくら言い争ったからって、あいつが大人しく待っていないなんて……よくあることだけど。今回は困る。すぐにでも出てきてほしい。
　こうなった原因は三つある。まず、軽い口論をして側を離れたこと。頭を冷やすつもりで、近くの手洗い場に入ったこと。昨夜、寝落ちしたせいでスマートフォンを充電しそびれたこと。それから、ああ、もう一つあった。操は、平均身長のせいで人混みに紛れやすいのだ。いつもなら見つけやすい薄茶色の髪も、こんな場所じゃ保護色になるらしい。
　うんとも言わなくなった板を、少々乱暴にポケットへねじ込む。連絡できないと不便だからって、容子さんが保証人になってくれたのに。一番話す操は大抵側にいるから、調べ物程度にしか使わないし、モバイルバッテリーなんか持ってない。次の機会までには用意しないと。いや、まずはあいつを見つけてやらないと。小さな頃から迷子になっては、しゃがみ込んで甲洋くん、甲洋くんって泣いてたくせに、どこに行ったんだ。

永安记事  

    长安一年一度彩灯高结，万人同庆。协同相游，相识相知，却无人知晓他们相爱。直到有一天，市井传说那个知书达理大半辈子的二皇子突然得了癔症似的，宛如发疯般攥住承恩侯府那个小侯爷的手，在最欣赏自己的父皇殿门跪了一整夜。 

  

  无人知道究竟因为什么，只知道第二天凌晨天还蒙蒙亮的时候，西边的城门悄悄地开了，一行车马就那样往寥落的西边而去，估摸着是前往战乱的边境。

  打更的大哥跟街坊邻居细数着带头骑马的那个人宛如少年将军似的潇洒，一身金贵装扮，带着一杆长枪就这么毫不回头地就走了。隔壁做木匠的，突然一拍脑袋说，嘿，承恩侯府那个小侯爷，不就是以一杆长枪打响了名声吗？众人面面相觑，似乎想明白了什么，却都不敢再多说。

水月-suigetsu-　主亡き炎屋敷にはこの頃噂がある。夜な夜な声が聞こえるというのだ。
　兄上、兄上。子供と大人の狭間の声で兄を呼び、小さな足音で探し回るそれを恐れる隠は一人としていない。
「また弟君が炎柱様を探してらっしゃる」
「おかわいそうに。もうお戻りにならないのに」
「あまりに突然だったものね」
　屋敷付きの隠たちは、声が聞こえだすとそう囁き合う。おかわいそうに。お辛いだろうに。言いながら、それをどうにかすることはない。
　何せ弟君とやらがそうするのは今に始まったことではないのだ。
　むしろ炎柱自身が容認し、気にかけていた。初めの頃から仕えていた隠はそう、皆に伝えて怯えないようにと常々釘を刺していた。
　このお屋敷にはね、弟君の生霊が現れるんだよ、と。