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    fujidanaa

    DONEワンドロ提出小話。私の耳は貝の耳 サマーホリデーの間、一日海に行かないか。そう持ちかけたのは意外にもデュースの方だった。いつもならそういった遊びのお誘いを仕掛けるのはエースなので、一体どういうつもりなのか興味を持つ。

    「デュースから声かけるなんて珍しいじゃん。どうしたの」
    「先日の授業で水面歩行の魔法を習っただろう。覚えている内に身につけておきたいと思ったんだ」
    「復習かよ!お前本当にマジメくんだな!じゃあ、監督生とグリムにも声かけて……」
    「そ、それに」

    ……せっかくだし、お前と二人だけで行きたいんだ。

     目元と耳を真っ赤に染めて呟く彼に、エースまで顔が熱くなってしまった。デュース本人は全く自覚していないが、ここまで持ち込めれば彼の一人勝ちだった。


     互いに都合の良い日にちをすり合わせた結果、決行日はホリデーのちょうど中日となった。待ち合わせ場所は、二人の実家から中間地点にある海水浴場だ。真っ昼間からだと暑くて堪らない、と駄々をこねたエースの一存で、日が落ちてからの合流となった。水面歩行の魔法が失敗しても問題ないように、Tシャツとハーフパンツという軽装で目的地を目指すエースは、すぐに同じような格好をした相 1609