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    超能力

    bumilesson

    PROGRESS12月17日【悪霊と超能力者】にて発行する新刊『カフェディンプルへようこそ』のサンプルです。カフェオーナー(紅茶専門)兼大家のエクとリーマンで店子の霊のパラレル設定小説。本文64ページの予定です。
    この話のエクボはスパダリではありません。一般人。
    参った。最悪なスタートダッシュになった。知らない街に来て大雨に降られるなんて本当にツイてない。大体駅前の仲介業者も適当すぎる。鍵を渡してスマホで住所を調べて部屋を探して勝手に内見して来いとは、田舎らしいというのか適当すぎるというのか。該当の住所に来てはみたけどアパートらしいものなどない。
    「え、住所だとここだけど……」
     どこからどう見てもカフェにしか見えない建物が立っている。白い壁に蔦が絡まる、緑が多いちょっと小洒落たカフェとオレが探しているアパートのイメージは離れていた。でも住所は間違いなくここのようで、それらしい入り口を探すが見つからない。
     駅から徒歩10分と言われても知らない道の上、この雨の中を歩いてきたので随分長い時間を歩いていた。周囲をうろうろしているうちに雨はまたさらにひどくなってくる。横殴りの風が強く、立っているのもしんどい。周囲を探すにしても強い風に傘が吹き飛ばれそうになる。仕方ない。
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