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    kmmr_ota

    PROGRESSタル蛍になる予定の小説。「詩書画三絶」は実在する言葉ですが適当なこと言ってるので注意してください。絵のモチーフは趙之謙『花卉図』です。
    不凍港(仮題) -5「昔、わたしは璃月で何人かの従業員を雇用していました。彼もその一人です。とびぬけて力が強く、寡黙で、人より何倍も働く良い従業員でした。当然、わたしは彼に目をかけて、ある日の終わりに酒でも奢ると連れ出そうとしましたが、彼は言葉少なに断りました。
     いや、驚きました。彼の反応といえば黙って頷くばかりだったので、首が横に動くなんて思いもよらなかったのです。だからわたしも思わず、何か用事でもあるのかと、軽い気持ちで聞きました。
     絵を描きに行くのだと、彼ははっきり答えました。そして、堰を切ったように、こう捲し立てたのです。
     いつも皆が食事をとる人気の店の通りの入り口に、昔は洒落ていたのだろう茶屋がぽつんと立っている。侘しいものだが、夕刻にあなたの使いで街に出た時、その茶屋の前を通りがかったのだ。今日は夕立があった。だから、茶屋の店先の枯れた明かりが、石畳にぬめるようにひかっていたのを見つけてしまった。それからというもの、いちにち心奪われ気もそぞろ、今宵は筆を握らずにはいられぬのです、と。
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    ぬこです。

    DONEハン趙。
    えっちなお兄さんは好きですか。①
    イルミネーションが煌めく華やかな横浜の繁華街を、スーツの美青年が駆け抜ける。
    整った顔立ちにめいっぱい期待を浮かべて、桃色の頬をして走る彼の瞳は、街のイルミネーションを反射してキラキラと光って。
    一目で大切な誰かと待ち合わせなのだ、とわかるその様子は、まるでドラマのワンシーンのようで、誰もが思わず振り返る。
    そんなこともお構い無しに、額に汗を浮かべて急ぐ彼が、足早に雑踏を抜けた先。
    観覧車がゆらゆらと水面に揺れる横浜港の夜景を背中に、こちらに向かって手を振る男がいた。


    「ハンくーん、こっちこっち。」


    のんびりとした甘い声が、青年の名前を呼ぶ。
    すると、ハンと呼ばれた青年は、その頬を得意気に綻ばせて、抱きつかんばかりの勢いで名前を呼んだ彼に向かってまた駆ける。


    「趙さん!」
    「はぁい、お疲れ様。」
    「...遅れて、すみま、せん!」
    「大丈夫だよ。俺も今来たトコだし。」


    側によった彼が息も整わないうちに謝罪するのを、趙は優しく受け流す。
    さりげなく背中を撫でる手に、ハンの肩が僅かに跳ねたのも、趙は気づいて見ない振りをした。


    「スーツ、似合ってるね」
    「ありがとうございま 2680