Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    しいな

    PROGRESS8/20インテ新刊「ドラマティックな恋じゃない」

    ⚠ 真一郎が非童貞
    ※直接描写なし

    あらすじ
    真一郎は十二年こじらせたワカへの片思いに決着をつけようとするも、幼馴染みの武臣に「無理だから諦めろ」と一蹴されてしまう。それでも今のままではいけないと悪あがきをしながら、ある日酒の勢いでワカを抱いてしまい――……。

    真一郎→→→→→(?)ワカの話。
    推敲・校正前なのでサンプル未満の尻叩き進捗。
    ドラマティックな恋じゃない 恋とは、きらきらと輝いて、そっと触れなければ壊れてしまうほど、うつくしくて尊い思い。――なんて、そんな言葉とは到底無縁だった。
     自分自身でも抑えきれなくて、おぞましい色で蠢いて、直視することが嫌になる。そのくせ手放そうと思えば思うほど、強くて太い根が張って心から離れない。ほんとうに、簡単に捨て去ることができればどれほど楽になるのだろうか。
     もう、十二年。
     まだ十代の青臭さが残る少年が見つけた宝物は、今となっては手に負えない呪物になっていた。
    「あー……」
     ぼんやりと眺めた夜空は相変わらずで、東京のあちこちにそびえ立つビルで切り取られている。
     決して綺麗なものではないのに、見慣れているからこそ落ち着けるのか、気がつくといつからか夜空を見上げるクセがついたらしい。仕事終わりに店の裏で煙草を吸いながら、ゆっくりこの十二年間抱えた片思いに別れを告げた。
    3190

    おりや🎤

    DOODLE⚠️独帝/SS/全年齢
    長引く残業に土砂降り。踏んだり蹴ったりだった👔だけど、居酒屋で落ち合った🎲と話しているうちにその気持ちは思わぬ方へ転がっていき…。

    先日の大雨でどぼどぼになってむしゃくしゃしたので、ドダいちゃいちゃしろ!!の気持ちを形にしました。
    ラブホの風呂場で着衣えっちもいつか書きたい🥳
    禍転じて 最悪だ。
     傘を差してもびしょ濡れになったスーツの袖口を重く感じながら、黒い雨傘を畳んで店先の薄汚れた傘立てに突っ込む。安居酒屋の戸をくぐって、滑りの悪いその扉をガタガタと後ろ手に閉めた。途端に雨音が和らぐ。もちろん、昭和から働いているだろうこの扉の防音効果によるものではない。ただ単に雨足が弱まったのだ。
     何だよ、くそ。狙いすましたように、俺が屋内に入った途端に弱まりやがって。せめてあと五分、早まるか長引くかしろよ。
     内心で歯噛みしていると、愛想の薄い店員が、お好きな席へどうぞ、と空になったビールジョッキを片手に一言投げてきた。それに「ああ、はい……」と答えつつ、店内に視線をめぐらせる。奥にある四人がけのテーブル席に、目当ての背中を見つけた。黒いファーに縁取られたフードつきの、緑のモッズコート。ブルー一色だった気持ちに、明るい陽が差し込んでくる。
    5491