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    隼人

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE東映版。G最終話後。そのつもりでは無いのだけどいつものようにどうにも以下略。
    あの後、竜馬は隼人に怒ったんじゃなかろうかと言う話。

    この2022年になっても漫画版と東映版にしか描けていない部分があり、私にはそれこそがあの作品の重要な要素のひとつであり、核となる「三つの心」のベースでもあったと思います。
    戦争などは無ければいいと、あれらを読み受け取った人間の一人として思うのです。
    ■ 帰り戻る日「……っ、ハヤトの、馬鹿野郎!!」

     無事にミチルが乗るライガー号に救助された隼人に、そう叫んで竜馬は踵を返した。「先に戻って報告をする。隼人は任せた」と言葉少なに残して。


     恐竜帝国の侵略から間を開けず続いた百鬼帝国との争いは世界各国にも被害をもたらしながら、ゲッターロボのシャインスパークによる要塞島の撃破で終結した。被害は無かった訳にはならず、東京の一部などは「まるで三十年前のようだ」と語る人間も多い程の惨状であったが、兎にも角にも人類は再び生き延びたのだった。
     十八歳の少年少女達が世界の為にその命を賭して戦い得た二度目の勝利。
     その中から戦死者は辛うじて出なかったという事は、世界の犠牲から見れば酷くささやかで、しかし彼等には大きな違いでもあった。
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    ナナシ/ムメイ

    MOURNING漫画サーガ版。どうにも竜隼の雰囲気が漂う。
    真で竜馬がビビってたのが不思議だったって話の時に聞いた物から書いたはずの断片とか、データ破損時にサルベージしたの詰めたもの。

    東映版も一話から竜馬が隼人を意識してる描写はあるけど、漫画版の竜馬が勝手に運命共同体に見込んだ感じは一体なんだったんだろうなとか思います。
    ■ 空の「  」 早乙女家のリビングでBGMのように落ち着いた恋愛映画が流れていた夜だった。
     女性陣や早乙女博士が見つめる画面を横目に飽きてしまった元気ちゃんやリョウとトランプに興じた後(ムサシはミチルさんを落ち着かない様子でチラチラと伺いながら耐えていたが、結局我慢できずにソファの片隅で寝入っていた。ちっとも起きやしなかったから毛布だけ掛けて置いてきた)、寝付こうと向かう共同部屋への廊下で並んで歩く姿から流石にギョッとする言葉を耳にして足を止めた。

    「そういや一目惚れ、なんて言葉は信じて無かったけどよ、お前を見た時の気持ちはそういうのに近かったのかもしれねえな」

     今までも互いに恋愛なんて言葉からは程遠い生活をしていた俺達にはあの映画は縁の遠い世界の話だったかな、などと会話していた中でのそんな言葉は唐突にすぎた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE漫画サーガ版。號の13年前。竜隼か何かと言えばそう見えると思われ。

    竜馬と隼人の身に起きた事を見ていくと「同じだけど違う」事が多いように感じて。
    校舎/道場の話の流れ、竜馬が隼人を/隼人が竜馬を迎えに行った結果……色々とありますがあれらは何処まで意図的で、彼らはなんだったのかと思います。
    ■ ふたつ、ひとつ ふと気付いた時、自分は何処ともわからぬ場所にいた。建物の中、しんと静まり返った空気の何処からか低く機械音の響く工場のような雰囲気の廊下。随分と広い建物である様子にも関わらず人の気配は無い。
     肌が粟立つほどの恐れに近い何かと、胸が軋むほどの懐かしさ。ここは何処だ、と妙にざわめく重い頭を押さえ、流れるようにそもそも何ひとつとして思い出せない事に気付く。自分の名前さえも。それに思い当たり、ふらついた身体を壁に手をついて支える。
     記憶喪失。
     そんな単語はわかり、この分ならば知識は残したままエピソード記憶だけごっそりと抜け落ちてしまったのかなどと頭の片隅で冷静に考える自分がいる。
     何も思い出せないと言うのに目眩がしそうなほどの速さで思考は巡る。なにか、なにか忘れてはいけないものがあったはずだ。やるべき事があったはずだ。身の内をごっそりと失った空虚感にそんな焦りはあるにも関わらず、まるで雲を掴むように判然としない。
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    ナナシ/ムメイ

    DONE漫画サーガ版。無印隼人加入直後。あの後に押しの強いリョウが隼人を風呂に突っ込む話。ただし破廉恥な事はまるで無く、本当に長々と会話しているだけ。

    見た感じリョウは割と最初から隼人を気に入ってた(なんで??)のかなとは思えど、作中ドン引きしていた隼人からすれば心象最悪な出会いだろうに、その次には仲良しだったので色々どうしてかなぁと考えてるうちの妄言。
    ■ はじまりの日「……あんたらは心底最低だ……常識ってもんを知らねえのか……」
     竜馬も初めてとなった海底での地底魔王ゴールとの顔合わせの後、研究所に戻って開いたジャガー号のコクピットからぐったりとした様子で身を起こした青年は悔し紛れのようにそんな文句を吐いた。
     早乙女博士に見込まれたが為に思いもよらなかった存在からの強襲を受けて仲間を目前で惨殺され、竜馬に半ば拉致される形で投げ込まれたコクピットで既に逃れられない事を「敵」の言葉で知る事となった彼――神隼人の境遇を思えば、取り付けられた電子頭脳を投げ捨てないだけ余程理性がある。
     うんざりとした顔で上着を脱いでぞんざいに吐瀉を拭う姿を見ながら竜馬はひょいとジャガー号まで飛び移り「手を貸してやるよ」と隼人に掌を差し出した。ちらと横目で見たきり勢いよく叩き落とされたその手を「おぉ、痛てぇ」とぼやきながらさする。
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