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    PhysalisA09

    SPUR ME遅筆過ぎるけどこういうの書いていて完成させたいという意思表示……
    くおフラ(2)から半年後くらい
    くおフラ~じんフラまでの期間の心境(程度はともかくどちらの描写も真とした場合)の変化に玖苑くんの存在も影響していて欲しいなって願望の一部……なんだけど戦闘全く分からん
    仁武さん本当は弱くないって分かるようにしたくて……
    漫画参考にしたけど結界内の浸食点もよく分かってないし丙型の紫のバチバチ何……?
    戦闘シーンの草稿 居合わせた混の志献官に荷物を預け、侵食領域の中へと入る。営みの匂いどころか、生き物の気配すらかき消える。
     ぐう、と喉が無意識に鳴った。錆び付いたように体が重い。侵食圧が、仁武を過剰なまでに押し潰している。
     喉が引きつり世界が回った。悲鳴があった。怒号があった。元素術が、仲間めがけて飛び交っていた。見ていることしかできなかった。立ち尽くすばかりの無力な仁武を、あの人が必死で転移装置に押し込んだ。
     迫り上がるような苦みを飲み込む。自然と眉間に力が入り、にじんだ汗を乱暴に拭う。首を振る。よろめきながら壁に手をつく。浅い呼吸を、意識的に整える。

     呼吸を重ねるうちに人心地がついた。顔を上げ、色を失った街を見渡した。
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    七井の倉庫

    MAIKING【天淵に響け、黎明の祝歌】第二話冒頭を公開しておきます。こんな感じで始まる予定です。
    天淵第二話冒頭(仮) サトミは昔から、かくれんぼが苦手だった。
     少年の周囲には、常に誰かが契約した精霊が控えていて、きらきらと、優しい光を放っていたからである。燃える鷹、白い虎、奇怪な土の猫に始まり、氷の蛇、岩の熊——そして、白く輝く鶴。様々な精霊が、契約者でもない小さな少年に付き従う様は、実に神秘的な光景であった。
     時には、精霊だけでなく、契約者本人が控えていることもあった。炎を操る魔術師、風より早く射抜く狙撃手、様々な薬草に精通する薬草師、常に冷え冷えとした冷気をまとう魔術師、岩のような剣闘士——そして、何よりも少年を大事にする、あらゆる武器を使いこなす剣士。
     彼らは、あの大嘯穢にも動じず楯ノ森を守り抜いた、誇り高き傭兵団・祭林組の組員たちであった。彼らは大嘯穢から町を守った後も、残った魔獣退治や魔獣の屍の処理、西の森で発生した瘴気の封印などの危険な仕事から、次の大嘯穢に備えての兵の訓練、防壁の強化、隣町までの護衛など、楯ノ森の町のために多岐にわたる仕事を引き受け、一つ一つ解決していった。やがてサトミが五つになる頃には、彼らは町の一角に拠点となる”祭林組本部”を構え、すっかり楯ノ森の一員として認められるまでになっていた。組員の中には、町のものと結婚し、子をもうける者までいた。彼らはいまだに傭兵団を名乗っていたが、今となっては傭兵団というより”町の便利屋集団”と言った方が相応しくなっていた。
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