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    壱 軸

    PAST「お駒の龍の目」
    エミロビとヴラロビ
    行き場を無くした愛情は怒りに似る
    お駒の龍の目

    【恋】
    衛宮といやぁちょいと知れた御武家様で御座います。先代とは養子の間柄ながら父息子揃って武に優れ気質に優れと評判で御座いました。
    そんな御人が私なんぞ町火消しを目に掛けたのは背中の彫り物と目が合ったから、等とおっしゃるので思わず吹き出しちまいました。
    眉間にくっきりと刻まれた皺をなぞり、
    おやここにも龍がいらっしゃる
    と笑いかけるとがばりと抱き寄せられましてそのままゴロン。
    まぁ涼しげな声や目元に似合わずお熱い方ですよ。
    私の背中の龍もこの御人を好いてくれりゃあいいのですが。

    【骨】
    火消しの男は周りにお駒と呼ばれていたが、本名はロビンという。

    「俺ぁあんたが行ったことのない海の遠く遠くからやって来たのさ。船に乗って…ああ、あん時は連れ合いが病でな…命がけさ。」
    と言いながら細めた目は緑色。
    髪は火消しの場でも輝く橙。
    そして背中には龍の彫り物。

    異国の刀を咥えた龍は、褥にてロビンの白い背中で揺蕩いながら時折私を凝視しているような気がして、私は背中を撫でるふりでその目を手のひらで隠した。

    「最近は火が上がらなくて暇で仕方がねえや。
    飯にありつけるのはお侍様の 6370