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    5月23日

    42_uj

    MEMOのばまき。
    のばらちゃんの爪にマニキュアを塗るまきさん。
    読みたいものを書きました。八十八橋後、渋谷前。
    ※虎伏におわせっぽいのがちょっとあります。

    (2021年5月23日)
    ほんとうの敵について あっいかん。これは盛大に投げられた、畜生。畜生っていうのはじぶんへの悪態で、パンダ先輩の悪口じゃないですからね。地面が遠くなって空がちょっと近づく。でもあわてない。怖くない。オーケー。なんなら空の朱色が綺麗。夕焼け。「おーやってるねえ」って真希さんの笑い声がきこえる。きこえるくらい私は冷静だ。滞空の高さがピークを超える。よし、正しく落ちるだけ。これくらいの高さなら呪力でかためる必要もない。前傾の姿勢をつくって衝撃を想像する。そのあとも戦いは続くってこと忘れちゃいけない。最初につま先が地面に触れるけど、そこで着地を脚に任せるのは間違い。体重が膝に乗る前に、用意していた上半身を丸めたまま倒す。落下の衝撃を回転に変えるのだ。両手のひらで地面を受けたら、斜めに前転。右腕、それから背中、左腿でひとつづきに地面をなぞるように転がる。うん、肘も肩も腰もちゃんと庇えた。回りきったらすぐに体を起こす。膝もぜんぜん平気だ。立ち上がりきる前に地面を蹴って、完璧うまい具合にスピードをのせれた。パンダ先輩の巨体に突っ込むみたいに走っていく。けど「よし、今日はここまでだな」と先輩が言うので急ブレーキ。「えっ、もうかよ」。つい気の抜けた声が出た。時計を仰ぐと確かに決められた時間が過ぎたところだった。私は汗まみれだしジャージも砂だらけだけど、でもまだまだやれるって気がする。
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    DiedSafely

    DONEキスの日(5月23日再録)
    キスの日👹🦊⚠️ナチュラル同棲

    「ねぇVox、今日何の日か知ってる?」
    「さぁ…知らないな、なんの日なんだ?」
    「んー、知らないなら秘密」

    と夕食を食べているMystaは言う。秘密、と言われると気になってしまうのが人間の性(正確には人ではないが。)である。Mystaとの夕食を終えたVoxはシャワーを浴びてドライヤーをかけながらスマホを手に取って調べる。

    「キスの日…?」

    日本で言う、キスの日とやららしい。当然、Mystaは何が言いたかったんだ?となる。キスなんて朝起きた時のおはようのキスや寝る前のおやすみのキスなど、当然毎日のようにしている。だからこそ、何が言いたいのか分からなかった。Mystaはキスをして欲しかったのか?夕食中に?と悶々とする。髪を乾かし終えて、Mystaにシャワーが空いたという事を伝えて、自分は何をすべきなんだろうかと考える。なんの日か知ってるか、なんて聞かれてキスの日だったとしたら、Mystaはキスがしたかったんだろうと当然のように思う。その日のMystaのシャワータイムはいつもより長くて、それで何となく察しが着く。あれは多分私が気になって調べることを想定してのMystaなりの夜のお誘いだったのかもしれない、と。Mystaから誘われる事はまぁまぁなくはないが、こんな遠回しなお誘いは初めてだな。と思う。Mystaがシャワーから出てきてリビングにドライヤーを持ってくる。Mystaに見られる前にスマホをぽんと少し離れたところにほおり投げる。
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