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    okina

    MAIKINGハフバ衣装、異能異国設定の掃き溜め
    今後年齢制限かかると思われます
    今は💜💙の番、今後ほかtopも出る...やも
    ひたり。ひたり。
    大理石の床に両の足を付ける音が部屋に響く。
    常人は裸足のままでは足の裏を火傷してしまうくらい冷たい床に、その男──アイク・イーヴランドは立っていた。
    その目はまだ半分も開いておらず、虚空を見つめている。広い部屋は音を吸い込む程の冷気に包まれており、アイクが立っている後ろには今し方彼が浸かっていたバスタブのみが置かれている。そのバスタブには、液体窒素よりも低い温度なのでは無いかと思うほど冷たい特殊な液体で満たされている。その水でアイクは眠っていた。

    元々特殊な体質であるアイクは特別な力を手に入れると共に、常人よりも睡眠が必要な身体として生を得ることとなった。幼少期はこの体質の所為で多くの楽しみが奪われ辛い思いをした。けれども他の特別な力を持つ四人の仲間に救われた。この出会いは彼の人生を大きく左右し、また四人の人生も大きく左右した。この土地を治める者として成長すると共にこの体質は常人に理解され、崇拝される事となった。同時に更なる力も手に入れる事が出来たが、沢山の犠牲と敵を増やした。それでも、アイクがここまで歩み続ける事が出来たのは彼らの支えがあったからだ。
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    凛花(おがわ)

    MOURNING■初期の作品で一番気に入っています!江戸で暮らす二人が見たくて書いたお話です。
    <作品メモ>
    2012年遙かなる時空の中で5風花記が発売された直後のイベントで出した「はじめから恋だった」という小説同人誌に収録しているお話です。本のタイトルは【確かに恋だった(http://have-a.chew.jp/on_me/top.html)】様のお題をお借りしたものです。
    傘の下で二人 陽が天頂を越えたあたりから、しとしとと降り始めた雨。
     ゆきは、部屋を出てすぐの縁側に続く廊下で、静かに空を見上げた。
     庭には梅雨の花々が咲き乱れ、今美しいのは紫陽花だ。色とりどりの花を見ているだけで、穏やかに時間は過ぎて行く。降り注ぐ雨粒に手を伸ばし、柔らかな手のひらに受ける。
     脳裏を過ったのは、明け方から江戸城へ登城している邸の主のことだった。

    *****

    「神子様、何をなさっておいでです?」
     すでに馴染みとなった女中の一人が声をかけた。
    「雨が降って来たから、リンドウさんを迎えに行こうと思うの」
    「神子様が?」
    「神子様、旦那様はお駕篭で帰っていらっしゃいますから大丈夫ですよ」
     驚く女中の高い声と、傘を片手に今にも邸を飛び出さんばかりのゆきを見とがめて、女中頭が奥から出て来て言う。
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