V
ひぐらし
DONE8(ウェンティ2回目)8「やぁディルック、ガイアの調子はどう?」
ヒュウ、と風の音がした。
ディルックが音のした方を振り向くと、飲んだくれの吟遊詩人もとい風神が笑っていた。
「…ガイアさんは長期の任務でモンドから離れているんだろう?彼の体調なんて、僕が知るわけがない」
そう言うと、もう用事は済んだと言わんばかりに歩き出す。
風神になら話しても良いのかもしれないとも思ったが、神はガイアの状況を良しとしない可能性もある。
そう危惧して、何も言わずさっさと歩いていこうとするディルックの姿を見て、ウェンティは目をぱちくりと瞬かせた。
「あーなるほどね。大丈夫、ボクは君の弟の事情を知ってるよ。やっぱり、どんどん死にそうになってるの?」
「……知っていたのか」
953ヒュウ、と風の音がした。
ディルックが音のした方を振り向くと、飲んだくれの吟遊詩人もとい風神が笑っていた。
「…ガイアさんは長期の任務でモンドから離れているんだろう?彼の体調なんて、僕が知るわけがない」
そう言うと、もう用事は済んだと言わんばかりに歩き出す。
風神になら話しても良いのかもしれないとも思ったが、神はガイアの状況を良しとしない可能性もある。
そう危惧して、何も言わずさっさと歩いていこうとするディルックの姿を見て、ウェンティは目をぱちくりと瞬かせた。
「あーなるほどね。大丈夫、ボクは君の弟の事情を知ってるよ。やっぱり、どんどん死にそうになってるの?」
「……知っていたのか」
ひぐらし
DONE3(ウェンティ)3「ハハ…モンド一の吟遊詩人には全部お見通しってわけか」
ガイアは苦笑いをしながら言った。
「…そっか、君はこのままじゃ死ぬってわかってたんだね。でもいいの?君はまだ生きていたいんじゃないのかい?君は、自分がどうして生き返ったのか、心当たりがあるんでしょ」
ウェンティはそう言って地面へふわりと降り立つ。
ガイアは何も言わなかった。
「ガイア、ひとつ忠告させて」
俯いて何も言わないガイアを覗き込んで、ウェンティは話し出す。
「君の体はもう普通の人間とは違うんだ。君の体は死体とほぼ同じ。だから、放っておくと体は硬直していき、最終的に朽ちていく。まぁ君は氷元素使いだし、まだもう少し持つだろうけど」
ウェンティはガイアの顔を覗き込むのをやめて、今度は背伸びしてガイアの頭を撫でる。
1160ガイアは苦笑いをしながら言った。
「…そっか、君はこのままじゃ死ぬってわかってたんだね。でもいいの?君はまだ生きていたいんじゃないのかい?君は、自分がどうして生き返ったのか、心当たりがあるんでしょ」
ウェンティはそう言って地面へふわりと降り立つ。
ガイアは何も言わなかった。
「ガイア、ひとつ忠告させて」
俯いて何も言わないガイアを覗き込んで、ウェンティは話し出す。
「君の体はもう普通の人間とは違うんだ。君の体は死体とほぼ同じ。だから、放っておくと体は硬直していき、最終的に朽ちていく。まぁ君は氷元素使いだし、まだもう少し持つだろうけど」
ウェンティはガイアの顔を覗き込むのをやめて、今度は背伸びしてガイアの頭を撫でる。
UqYzs
PROGRESSうぇんてぃ友情夢。男主。拗らせている世話焼きの話。すぐに修正入れるし中途半端で終わる。そこかしこにいろんなもののネタバレの雰囲気
ともがき いつまでも、ゆめにみる。
彼のうつくしい瞳がおれを見ていた。まだふたつに分かたれていた時にはなかった色、彼らしいまばゆい色だった。そのなかに含まれていた感情に、おれは、そのことばを賜るまでまるで気がつきやしなかったのだ。
「もうきみは、とっくに僕の──……」
その瞳に偽りはなかった。心の底から紡がれた言葉だった。それを巧みに操る彼のうたがここちよく、同じく言葉を扱うものとして尊んでいた。だというのに、だからこそ。その瞳に、声に、言葉に詰め込まれたそれが、どうしても。
***
そのひとに初めて会ったのは、塵歌壺のなかだった。
まだ俺とパイモンしか入れないはずのちいさな箱庭、必要最低限のものしか置いていない広い館の一室で、空中に文字を書きつけている姿はいっそこちらを感動させた。指先から白緑の光が伸びていくさまが幻想的だったのもあるが、なによりも少しを声をかけたくらい、武器を向けたくらいでは気づかないのである。耳の遠い人に声をかけるくらいの音量でやっと俺たちを目に移した彼は、きょとんとした顔で言った。
9019彼のうつくしい瞳がおれを見ていた。まだふたつに分かたれていた時にはなかった色、彼らしいまばゆい色だった。そのなかに含まれていた感情に、おれは、そのことばを賜るまでまるで気がつきやしなかったのだ。
「もうきみは、とっくに僕の──……」
その瞳に偽りはなかった。心の底から紡がれた言葉だった。それを巧みに操る彼のうたがここちよく、同じく言葉を扱うものとして尊んでいた。だというのに、だからこそ。その瞳に、声に、言葉に詰め込まれたそれが、どうしても。
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そのひとに初めて会ったのは、塵歌壺のなかだった。
まだ俺とパイモンしか入れないはずのちいさな箱庭、必要最低限のものしか置いていない広い館の一室で、空中に文字を書きつけている姿はいっそこちらを感動させた。指先から白緑の光が伸びていくさまが幻想的だったのもあるが、なによりも少しを声をかけたくらい、武器を向けたくらいでは気づかないのである。耳の遠い人に声をかけるくらいの音量でやっと俺たちを目に移した彼は、きょとんとした顔で言った。
暁/houhoupoteto
DONEディルガイ:釣り馬鹿げていると思いながらも、願うは隣にいたいだけ
※付き合ってない
※ゲスト:ウェンティ(呼び方捏造)
「旦那、もう一杯くれ」
「呑みすぎだ。もうやめておけ」
「けち」
「うるさい」
端から見ていて、正直イライラするんだよね。この二人。
「ねぇねぇ、ボクにももう一杯ちょうだい?」
「あぁ…何にする?」
「はぁ?贔屓だ贔屓だ!!」
「君の場合はもうそれ酔ってるだろう。それに明日も早いのだろうが」
追加のグラスをあおぎながら、ウェンティはほくそ笑む。
これで付き合ってないっていうんだからムリがあるよねぇ。
「ねぇねぇガイアくん」
「ん、なんだぁ?」
家に戻る後ろ姿があまりにも千鳥足で、これはディルックの方がよくわかっていると思う。しかしディルックは明らかにガイアとのあからさまな接触を避ける。
…こんなによく見てるのにねぇ。
「ガイアくんってさ、ディルックのことどう思ってるの?」
1628「呑みすぎだ。もうやめておけ」
「けち」
「うるさい」
端から見ていて、正直イライラするんだよね。この二人。
「ねぇねぇ、ボクにももう一杯ちょうだい?」
「あぁ…何にする?」
「はぁ?贔屓だ贔屓だ!!」
「君の場合はもうそれ酔ってるだろう。それに明日も早いのだろうが」
追加のグラスをあおぎながら、ウェンティはほくそ笑む。
これで付き合ってないっていうんだからムリがあるよねぇ。
「ねぇねぇガイアくん」
「ん、なんだぁ?」
家に戻る後ろ姿があまりにも千鳥足で、これはディルックの方がよくわかっていると思う。しかしディルックは明らかにガイアとのあからさまな接触を避ける。
…こんなによく見てるのにねぇ。
「ガイアくんってさ、ディルックのことどう思ってるの?」