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    なつい

    お茶🍵

    DONEここから読んでもさっぱりなツイッタツリー芸の続き。【双子遊園地デート続き】


    あの時みたいに、フォルテは笑った。
    きっと、手を繋いでパークを爆走する双子はたくさん目撃されていて、今頃画像まで上げられているかもしれない。マネージャーにはきっと大目玉を喰らう。プロデューサーは面白がるかもしれないけれど。
    けど、こんな時真っ先にアシッドを嗜めるはずの兄が許したのだ。一緒に笑っているのだ。何もかもが、それだけでどうでもいい。
    比較的人通りの多い人気アトラクションの入り口。駆け込んで、「え、あ!?」と動揺しているスタッフの女の子が何か言う前にパスを見せて滑り込んで。
    平日の比較的空いている日でもやはり人気アトラクション、列は長く伸びていて、その横のパス専用通路をすいすいと進む。最早二人がいる事はSNSですっかりと話題になっているようで、その姿を認めた人々から声が上がるのにも全く目をくれず。
    走り通して肩で息をしてるフォルテの手をまだ引いているけれど、振り解かれることはない。足早に進みながらも、作り込まれたアトラクション内部に思わず感嘆が漏れる。
    「すごいね、こうなってんだ」「…えぇ、はぁ、並んでいる間も、は、飽きさせない工夫が、ふぅ、」「フォ 2810

    back_side_moon

    TRAINING桜樹の化身の守沢と、高校生鬼龍です
    とむさんとかほさんの桜紅千に触発されて、設定一部お借りしました🙏
    守沢が嬉しいと花びらが出現して花まみれになるので桜の傘を差しかける鬼龍…という理解をしました
    「鬼龍が傍にきてくれると嬉しくて花びらをよけいに降らせる(物理的にある以上に)守沢」しか書けてません(しかも人外)が、イメージがなければ書くこともなかったので…
    素敵なツイートありがとうございました🌸





    .はらはらと薄紅色の花弁が舞い落ちる。
     その広場はいつもひと気がない印象だった。奥に、ひときわ存在感を放つ桜の古木があるほかは、風雨にさらされて文字も判別しづらい歌碑のようなものが置かれているだけだ。樹からほどよく離れた位置に、石の腰掛けが二基。
     紅郎は自宅に近いこの場所によく足踏みする。
     日課のランニングの終わりにここのベンチで息をととのえたり、空手の型をさらったりするのだ。幼い頃から好きで続けているが、体格にもめぐまれた紅郎に向いていたのだろう。もうすぐ昇段試験というときなど、時間を忘れて鍛錬することもある。
     そんなときは、気づけば日の落ちた空を半分覆うように枝を伸ばした桜が、静かな風に葉を揺らしている。いちどに視界におさめきれないほどの樹勢をみやれば、高みから自分を見守る視線がそこにあるような気がしてくる。幼い紅郎はそう感じることを特に不思議にも思わず、かえって親しみをおぼえていた。

     冬がおわりに近づくにつれ、桜の樹は春への憧れを秘めてはりつめた気配を漂わせる。息をひそめて指折りかぞえてその日を待ち、花びらのまじないで閉じ込める。過ぎ去る刻を、人を 1099