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    キャラバン

    affett0_MF

    DONE #ぐだマンワンドロワンライ
    お題「ウィンターキャラバン」(-30min)
    ほう、と息を吐くと、白く煙り天へと昇って行った。吐息がまた透明な夜空へと溶けていく様を眺めていると不意に背中に重みを感じ、目をそちらへと向ける。
    「マスター、夜更かしっすね」
     マンドリカルドだった。声を聞かずとも気配で何となくそんな気がしていたけれど。普段の鎧姿ではなく街中にでも居そうな軽装に身を包んだマンドリカルドは、ごとりと音を立てて床に何か置いたかと思うと、「どうぞ」と言いながらそれを俺の手元へと押し出した。
    「わ、ココアだ。ありがとう」
     青いマグカップに並々注がれたそれはとろりとした肌に空の濃紺を映している。手に取ると焼けるように熱い。きっとココアが冷めないようにマグカップを温めてくれたんだと思うと、その小さな気遣いに心がじんと温かくなった。こういうところがあるヤツなのだ。マンドリカルドってヤツは。
    「今日は楽しかったすね」
     まるで風にでも囁きかけるように、穏やかな声がする。焦って早口になるでもなく、気まずそうに口ごもるでもなく、吐息のように穏やかでなめらかな声。マンドリカルドがこんな声で話すのだと知ったのはつい最近だ。また知らない一面を知ることが出来たと嬉しくなったのを 1515

    higuyogu

    MEMOナムらく。耳かき。
    これの耳かき部分を抜粋したものを全年齢向けに直したものです。→[R-18] キャラバンの子がデ・ナムさんに耳かきをせがまれて目を舐められてセックスする | かつかつ #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14546849
    「デ・ナム、なあ、寒い」
     ひやりとした何かに揺すられ目が覚める。すっかり夜も更けて、窓から入ってくる僅かな明かりが、ぼんやりと輪郭を浮かばせている。デ・ナムが声の方に寝転がると、白い影があった。
    「デ・ナム、寒い」
    「…なに」
     デ・ナムがゆっくりと布団がわりのボロ切れを開けると、そこそこの勢いで影が潜り込んだ。水のようなしなやかさで音もなく体にひっついてくるこれは、もしかしたら何かの獣かもしれない。いやただのセ・ジドだった。デ・ナムは冷たい髪の毛を撫でてやる。
     この小屋には研究者セルキーが1人暮らす分の、それも最低限しか物がない。湿原の夜の寒さを凌ぐための布も、厚手にはしたもののそれでも心許ない一枚しかない。むしろ(莚)があると言えばあるのだが、これも床板からの冷気を防ぐために必要なのもであり、やはり一枚しか編んでいない。
     つまり離れて寝る奴に貸すもう一枚なんてものは無かった。もっとも、意地になっているセ・ジドがデ・ナムからの施しを受け取ったかは疑問である。
    「つめたっ、よくこんな体冷えるまで耐えたなぁ。さすがキャラバン」
    「お前がすぐに寝ちゃうから走ったりとかしてたんだよ。で 4146