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    天空

    7nka29tteru4

    MOURNING思いついたので書いた話。書き散らしみたいなものなのでちょびっとしか推敲していません。この〇〇〇年後に星の子のおかげで2人は天空に行きます。
    <注意>
    ・男女の双子なつんおかです
    ・顔があります(作中に描写は無いけど仮面を外していてその下に顔がある設定です)
    ・2人の部屋があるなど微妙に捏造設定あり
     彼が夢の世界から現実へ引っ張り上げられた時、部屋はまだ暗かった。太陽の気配を一切感じられない静けさは、彼の瞼をもう一度閉じさせるに十分なものだ。しかし彼は瞼を閉じなかった。隣にあるべき温もりが無く、ベッドの縁によく見慣れた円い人影があったからだ。
    「あいぼぅ……?」
     寝起きのぼんやりした声が彼の口から出て、人影が彼の方へ振り向いた。
    「悪い、起こしたか」
    「いんや……」
     彼は夢うつつの舌足らずな声で答えてから、囁き声を出した人影を見上げて尋ねる。
    「おまえは……どうした……?」
    「目が覚めたから、ちょっと空を見ていた。良い星空だから……」
     今度はいつも通りの――とは言っても、幼子と話すような優しさを含んだ――声が返って来たので、彼も目をこすりながらのそりと起き上がり、人影の元まで這って近寄ると、窓の外を見上げた。ベッドの側には大きな窓があり、朝にはその窓から燦々と陽光が降ってくる。今は夜だから、溢れんばかりの星屑が、窓の外を彩っている。
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