Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    奈落

    四 季

    CAN’T MAKE支部にまとめた作品は重複するので、一旦非公開にしておこう……と思って非公開にしたら、作品数が物凄く寂しくなってしまいました😅 また確認して何点か再度公開します💧
     そしてこれは「奈落にて(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17878046)」設定のラストのつもりで書いたもの(雰囲気だけ/短い)。
    闇堕ちリンゼルR18メリバ(百年前設定)の結末案だったもの ────……

    「リンク」
     透き通るような美しい声。
     遠くから聞こえるようでいて、耳元で囁いているかのようにも聞こえるその声に導かれ、そろそろと重い瞼を上げる。
     その瞬間、視界に飛び込んできたのは、一筋の白く眩い光。
     目も眩むような眩しさに思わず再び目を瞑り、恐る恐る目を開けると、光の中にぼんやりと浮かぶ輪郭が、徐々に人の姿をとり始める。
     その人の姿を認め、思わず息を呑んだ。
     ──それ自体が輝きを放つ太陽のような美しい金色の髪、雪のように白い肌、深い森のような緑色の瞳を持つ、美しい女性──あるいは、女神。
     その人を見つめているだけで、何も分からない、何もなかった自分の心の内に、畏れと限りない安堵、そして、どうしようもない愛おしさがこみ上げてくる。
    1152

    uhouho_saying

    DONEオベぐだ♂Webオンリー『奈落の底より青空のきみへ』 開催おめでとうございます!
    お2「飴色になるまで」にてサークル参加致します。

    受肉後、同棲設定のオベぐだ♂SSです。
    同時にPixivに掲載するオベぐだ♂既刊全文再録(R-18)の軸の小話になりますので、併せてお読みいただいた方がわかりやすいと思いますが、単体でも読めると思います。
    恋も愛も余談 私はこの街が嫌いだ。
     私が生まれ育ち、少女と呼ばれる時期を過ごした街。かつて漁港と温泉観光が盛んだった、今はただ潮と廃油のにおいだけがする、薄汚れた灰色の街。私の実家はよく言えば抒情的な、悪く言えば埃をかぶったような商店街の片隅で、代々続く小さなパン屋を営んでいた。このしみったれた街に嫌気が差して都会に飛び出してみたものの、理想と現実の差に夢破れ、一昨日に部長の机に辞表を叩きつけてこの街に舞い戻ってきたのが、ひとり娘のこのわたしというわけだ。
     家業としてのパン屋はすでに街に残った兄が継いでいるのだが、働かざる者食うべかざるというのが我が家の方針であり、実家に転がり込んだ翌日から店に立たされることになった。とはいえ、パン作りではなく店番のほうだ。厨房で父と兄が黙々とパン生地をこねている間、私は店先に焼き立てのパンを並べ、パンをひとつひとつ包んで笑顔とともにお客に手渡す。
    4096

    サクライロ

    DOODLEしつこくも宵闇奈落番外です。以前ちらっとあげた漫画ラフから続く場面です。夜会前に手篭めにした、その夜会での一幕。唐突にテュールとドリスの会話を読みたくなって書き殴りました。オチはない。
    他進捗ですが、死ぬ病メリバのゴールがようやく見えてきました!本編続きものろのろ書いてます、イヤー故郷に着いてしまう嫁が離脱してしまう…!あと姫始めももう少し。二大鬱話を並行して書いてるお陰で箸休めばかり進みます。
    思いつきで書きたいとこだけ書いた従兄妹同士の話「もうダンスはお終いですの?」
     歓談の合間に果実水で喉を潤していたら、同じくグラスを取りに来たらしい従妹が声をかけてきた。
    「ああ……うん。どうしても、ダンスは苦手でさ」
    「ええ、そのようで」
     つれない返事を苦笑で誤魔化し、手元の水を呷った。夜会の雰囲気には幾分慣れてきたが、居心地の悪いことは変わらない。値踏みする視線を感じるたび、まだまだ信用されていないなと苦く思う。
     忠臣達の配慮のお陰で、娘を妃にと迫られる頻度が減ったことだけがせめてもの救いだ。それはそれで、今度は次代である子供達に白羽の矢が立ちつつあるわけだが。
    「まるで妖精か、女神様のようだわ」
     僕の溜め息を打ち消すように、ドリスがうっとりと広間の中央を見つめて呟いた。
    5309