Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    おじさま

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり

    共寝した次の日の寒い朝のおじさま審神者と大倶利伽羅
    寒椿と紅の花
     
     ひゅるり、首元に吹き込んだ冷気にぶるりと肩が震えた。腕を伸ばすと隣にあるはずの高すぎない体温が近くにない。一気に覚醒し布団を跳ね上げると、主がすでに起き上がって障子を開けていた。
    「あぁ、起こしてしまったかな」
    「……寒い」
    「冬の景趣にしてみたのですよ」
     寝間着代わりの袖に手を隠しながら、庭を眺め始めた主の背に羽織をかける。ありがとうと言うその隣に並ぶといつの間にやら椿が庭を賑わせ、それに雪が積もっていた。
     ひやりとする空気になんとなしに息を吐くと白くなって消えていく。寒さが目に見えるようで、背中が丸くなる。
    「なぜ冬の景趣にしたんだ」
    「せっかく皆が頑張ってくれた成果ですし、やはり季節は大事にしないとと思いまして」
     でもやっぱりさむいですね、と笑いながらも腕を組んだままなのが気にくわない。遠征や内番の成果を尊重するのもいいが、それよりも気にかけるべきところはあるだろうに。
    「寒いなら変えればいいだろう」
    「寒椿、お気に召しませんでしたか?」
     なにもわかっていない主が首をかしげる。鼻も赤くなり始めているくせに自発的に変える気はないようだ。
     ひとつ大きく息 1374

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり

    おじさま審神者と猫耳尻尾が生えた大倶利伽羅のいちゃいちゃ
    猫の日にかいたもの
    大倶利伽羅が猫になった。
    完璧な猫ではなく、耳と尾だけを後付けしたような姿である。朝一番にその姿を見た審神者は不覚にも可愛らしいと思ってしまったのだった。

    一日も終わり、ようやっと二人の時間となった審神者の寝室。
    むっすりと感情をあらわにしているのが珍しい。苛立たしげにシーツをたたきつける濃い毛色の尾がさらに彼の不機嫌さを示しているが、どうにも異常事態だというのに微笑ましく思ってしまう。

    「……おい、いつまで笑ってる」
    「わらってないですよ」

    じろりと刺すような視線が飛んできて、あわてて体の前で手を振ってみるがどうだか、と吐き捨てられてそっぽを向かれてしまった。これは本格的に臍を曲げられてしまう前に対処をしなければならないな、と審神者は眉を下げた。
    といっても、不具合を報告した政府からは、毎年この日によくあるバグだからと真面目に取り合ってはもらえなかった。回答としては次の日になれば自然と治っているというなんとも根拠のないもので、不安になった審神者は手当たり次第に連絡の付く仲間達に聞いてみた。しかし彼ら、彼女らからの返事も政府からの回答と似たり寄ったりで心配するほどではないと言われ 2216