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    かごめ

    妖怪ろくろ回し

    MOURNINGとわとかごめ*


    「とわちゃん聖ガブリエルなの? すごいじゃない、草太やるぅ!」
     かごめは大喜びで腕に力こぶを作る真似事をした。
     どんな運命のいたずらかは知らないが、こうしてもう二度と会うことはないだろう家族たちのことを他人伝いであれ耳にできたのは嬉しいことこの上ない。
    「でもまだ、全然通ってなくて。馴染む前にこっちに飛んで来ちゃったというか、戻って来ちゃったっていうか……」
    「そっかそっか。でも大丈夫よきっと。おじいちゃん、欠席の理由考えるの得意だから」
    「例えば?」
    「えっと……」
     水虫が爆発した。朝起きたら目から血を流していた。静電気がひどすぎて触ったもの全てから火花が出た。
     ありとあらゆる病気をでっちあげた後にもかごめの祖母は彼女が中学を休む理由をずっとずっと考え続けてくれていた。なれば、孫が中学をいつまでやもわからない欠席する理由を作り上げるなんて簡単なことだろう。
    「やだ、そういう理由で私休んでることになってるの?」
    「きっとそうよ。でもよかった。みんな元気にしてるみたいだし……」
     十年と余年。
     最後に見た弟・草太はぶかぶかの学ランを着た中学生だったというのに、聞けば、あ 2775